ペルー海外安全対策情報(2015年7月〜9月:邦人被害例等)

 

在ペルー日本国大使館

1 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)全般
 リマ市を中心に依然として強盗,窃盗の被害が多発している。信号待ちの車両の窓ガラスを割って車内の荷物を持ち去る「窓割り強盗」や,通行中の歩行者のバッグ等所持品を狙った「路上強盗(ラケテオ)」・「ひったくり」,営業中のレストラン等に押し入る「レストラン強盗」等の発生が見られ,特に夜間には犯罪の発生が増えている。また,強盗被害に遭った被害者が抵抗したことにより殺害される事件も発生していることから,不幸にも強盗被害に遭った場合は抵抗することなく,身の安全を優先することが肝要である。

 

(2)邦人被害例
 ア (ひったくり)7月中旬午前7時頃,邦人旅行者1名が,チクラヨ市内のホテルからリマ行きのバスターミナルに向かい大通りを歩行中,バイクに乗った2人組の男に,肩から斜めがけにしていたショルダーバッグを強奪された。

 

 イ (窓割り強盗)7月中旬午前8時頃,邦人旅行者がリマ空港到着後,空港駐車場内で流しのタクシーに乗車し市内に移動中,アベニーダ・ライムンド・ベナビデスの交差点で信号待ちをしていたところ,バイクに乗った2人組の男に車両後部の窓ガラスを割られ,肩から斜めがけにしていたショルダーバッグのベルトを刃物で切られて,同バックを強奪された。

 

 ウ (窓割り強盗)8月中旬午後8時頃,邦人旅行者がカヤオにあるスポーツ競技場からタクシーに乗車し市内に移動中,アベニーダ・ボリビアとアベニーダ・アルフォンソ・ウガルテの交差点で信号待ちをしていたところ,2人組の男に助手席の窓ガラスを割られ,膝の上に置いていたバックを強奪された。

 

 エ (車上荒らし)8月中旬,在留邦人がアンカシュ州ワラス市近郊のトレッキングツアーに参加中,ツアーのバスに置いていた荷物を奪われた。

 

 オ (スリ)9月初旬午前6時30分頃,邦人旅行者がリマ市内にあるクルス・デル・スル社のバスターミナルでバスの出発を待っている間に,ウエストバックから貴重品を抜き取られた。

 

 カ (置き引き)9月中旬,邦人旅行者が夜行バスでアレキパからプノに移動中,座席の下に置いていたリュックサックを置き引きされた。

 

(3)邦人以外の外国人被害例
 (監禁)9月下旬午後,マドレ・デ・ディオス州マヌ郡フィッツカラルド町において,マヌ国立公園へ向かっていた外国人を含む観光客40人が,地元の道路建設を訴える住民グループに拘束され,翌日に解放された。

 

2 テロ・爆弾事件発生状況
 7月から9月の間も,非常事態宣言が発出されているアプリマック・エネ・マンタロ川渓谷(VRAEM)地域の一部地域では,引き続きテロリストと治安部隊との衝突が度々発生しており,軍及びテロリスト双方で死傷者が出ている。
 一方リマ市内では,金銭を脅し取る目的で,脅迫相手の学校やレストラン等に手榴弾等爆弾を設置する事案が多発しおり,それとともに学校周辺道路等において爆発物の可能性がある不審物が発見され,警察に通報される事案が多発している。国家警察爆発物処理隊の処理活動の結果,通報の多くは爆発物ではなかったことが確認されているが,爆発物のおそれがある物件を発見した際は決して近づいたり触ったりすることなく,速やかに警察に通報し処理を委ねることが大事である。

 

3 誘拐・脅迫事件発生状況
 リマ市内では,建設関連業者をはじめとする自営業者に対してみかじめ料を求める脅迫,恐喝事件が多発しており,脅迫の手段として銃弾を送付したり,上記2のとおり手榴弾等を関連施設等で爆発させるなど,凶悪化している。

 

4 日本企業の安全に関わる諸問題
 環境問題,労使問題などが契機となって国内各地でデモ隊と警官隊との衝突事件などが発生している。
・ラス・バンバス鉱山開発プロジェクトへの反鉱山運動
 日本企業に直接的な影響はないものの,9月下旬から,現在開発中のラス・バンバス鉱山開発プロジェクト(アプリマック州コタバンバ郡及びグラウ郡)について,開発内容が環境影響評価(EIA)に反映されていないことなどを理由に,地元住民による抗議行動が展開された。鎮圧のため同29日までに死者4名発生。ペルー政府は,同州両郡の他,アンダワイラス郡,チンチェロス郡,クスコ州チュンビビルカス郡及びエスピナル郡の計6郡に対し,9月30日から30日間の非常事態宣言を発令した。

(了)

 

 

 

法的事項 | アクセシビリティについて | プライバシーポリシー |