ペルー海外安全対策情報(2015年4月〜6月:邦人被害例等)

 

 

在ペルー日本国大使館

 

1 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)全般
リマ市を中心に依然として強盗,窃盗の被害が多発している。信号待ちの車両の窓ガラスを割って車内の荷物を持ち去る「窓割り強盗」や,通行中の歩行者のバッグ等所持品を狙った「路上強盗」・「ひったくり」,営業中のレストラン等に押し入る「レストラン強盗」等の発生が見られ,特に夜間には犯罪の発生が増えている。また,強盗被害に遭った被害者が抵抗したことにより殺害される事件も発生していることから,不幸にも強盗被害に遭った場合は抵抗することなく,身の安全を優先することが肝要である。

(2)邦人被害例
 ア (強盗)4月初旬午後1時頃,邦人旅行者2名が,リマ旧市街バリオス・アルトスにある中華街の裏の通りを歩いていたところ,突然5〜6人の男に襲われ,腹巻きタイプの貴重品袋,ショルダーバック等を強奪された。


 イ (詐欺未遂)4月中旬,在留邦人の留守宅に電話が入り,使用人が出たところ,「BCP銀行の者だが,家主が破産したので取り立てに行く。その際にドアを開けるように。」との話しがあり,途中で家主役の者も登場し,銀行関係者の指示に従うよう促された。信じきった使用人が泣きながら当該邦人に電話連絡して来たので,スペイン語のできるスタッフが直ぐに家主に電話で確認したところ,家主は破産しておらず,そもそもBCP銀行の口座も保有していないことが確認でき,被害には至らなかった。


 ウ (置き引き)5月初旬午前2時頃,邦人旅行者がリマ空港に到着後,荷物をカートに入れて空港敷地内を移動していたところ,いつの間にかカートに入れていた貴重品袋を盗まれていた。


 エ (スリ)5月初旬午後8時頃,在留邦人がリマ市内ミラフローレス区にあるアレキパ通りとアンガモス通りの交差点バス停付近で,リュックサックの外部ポケットに入れていた携帯電話をすられた。


 オ (窓割り強盗)5月中旬午後8時頃,邦人旅行者2名が,リマ空港から市内へタクシーで移動中,ブレニャ区で信号待ちをしていたところ,近づいてきた男にタクシー後方の窓ガラスを割られ,膝の上に置いていた鞄を強奪された。


 カ (窓割り強盗)6月初旬午前0時頃,邦人旅行者2名が,リマ空港到着後,旅行業者手配の車の後部座席に乗って市内へ移動中,オスカル・ライムンド・ベナビデス通りの交差点(旧市街プラサ・ドス・デ・マジョ付近)で信号待ちをしていたところ,突然2人組の男に車両後部の窓ガラスを割られ,後部座席の足下に置いていた旅券等貴重品の入った鞄を強奪された。


 キ (ひったくり)6月中旬午後9時15分頃,在留邦人がビヤ・マリア・デル・トリウンフォ区内をバスで移動中,ショルダーバックを肩に掛け,通路側の席に座っていたところ,バスが停留所で停車した際,後方に乗っていた男が同バックを強奪し,そのままバスを降りて逃走した。


 ク (タクシー強盗)6月下旬午後1時頃,邦人旅行者1名が,アレキパ市内のアルマス広場より2ブロックほど離れたホテルから,流しのタクシーを拾って後部座席に乗車し,ショッピングセンターへ向かっていたところ,後部座席の両サイドから乗り込んできた二人組の男達に,ポケットに入っていた現金やクレジット・カード等貴重品を奪われた。その後,犯人のうち1名が車を降りていき,被害者そのまま郊外を連れ回された後,人気のない場所で解放された。クレジット・カード会社に連絡したが,既に盗まれたカードで現金が引き出されていた。

(3) 邦人以外の外国人被害例
 ア (強盗)4月下旬,クスコ州ウルバンバ郡マラス町において,外国人を含む観光旅行者が乗ったバスが武装グループに襲われ,強盗被害に遭った。


 イ (強盗)6月下旬午後2時30分頃,リマ市サン・イシドロ区のホテルにおいて,ホテル内に入ろうとした3人の外国人が銃器を所持した強盗グループに襲われ,現金や携帯電話,ノートパソコン等を強奪された。

2 テロ・爆弾事件発生状況
(1)5月中旬,フニン州ワンカヨ郡サント・ドミンゴ・デ・アコバンバ町において潜入調査を行っていた軍の情報員がセンデロ・ルミノソに拉致され,その後近くの河原で遺体が発見された。


(2)5月下旬の午前1時頃,リマ市ミラフローレス区タラタ通り所在の金融機関前で,何者かが置き去った爆発物が爆発した。負傷者はなく,周囲の建物に物的被害があった。


(3)6月下旬の午前10時頃,リマ市サン・フアン・デ・ルリガンチョ区イスラエル公園で,何者かが手榴弾を爆発させる事件が発生した。負傷者はなかったが,当日,付近の公立学校は閉校された。

3 誘拐・脅迫事件発生状況
 リマ市内では,建設関連業者をはじめとする自営業者に対してみかじめ料を求める脅迫,恐喝事件が多発しており,脅迫の手段として銃弾を送付したり,手榴弾を関連施設等で爆発させるなど,悪質化している。
 リマ市サン・フアン・デ・ルリガンチョ区では,特に学校経営者に対する恐喝が発生しており,5月中旬から下旬にかけて,学校警備員や学校経営者が殺害される事件に発展していることから,警察と区は学校周辺の警備を強化している。

4 日本企業の安全に関わる諸問題
 環境問題,労使問題などが契機となって国内各地でデモ隊と警官隊との衝突事件などが発生している。


(1)ティア・マリア鉱山開発プロジェクトへの反鉱山運動 3月下旬より,農業用水への影響などを理由に,アレキパ州イスライ郡にある,ティア・マリア銅鉱山開発プロジェクトに反対する大規模抗議運動が再開(事業主が5月中旬から60日間の開発停止を決定した。)。政府が5月下旬より60日間の非常事態宣言を発令した。


(2)ペルー鉱業冶金鉄鋼労働者連盟(FNTMMSP)呼びかけによる全国鉱山ストライキ 5月中旬,FNTMMSPが全国鉱山労働組合に対し,雇用安定と給与制度に関する要求を掲げ,ストライキ。6日目にストライキを解除,通常操業を回復した。

(了)

 

 

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