プレスリリース

草の根・人間の安全保障無償資金協力
「ランカ診療所中古救急車及び医療機材整備計画」に関する署名式

 

 在ペルー日本国大使館は、草の根・人間の安全保障無償資金協力のスキームにより、「ランカ診療所中古救急車及び医療機材整備計画」に対し、総額56,845米ドルの無償資金協力を行うことを決定し、1月23日(金曜日)、リマ・保健省において、ウガルテ保健大臣同席の元、目賀田周一郎大使と実施団体サン・マテオ・デ・オタオ町役場町長との間で贈与契約が行われました。




署名式の様子


署名を終え,贈与契約が成立



■プロジェクトの概要
(1)プロジェクトの内容

 ペルー中央部貧困集落にあるランカ診療所に対し、適正な医療サービスを提供するため、検査用医療機材(加圧蒸気滅菌器1、双眼顕微鏡1、ヘモグロビン測定器1、血液遠心分離機1、チューブ式遠心分離機1、冷蔵庫1、乾燥滅菌装置1、保温培養器1、スペクトル光度計1、動脈ガス分析器1、分析天秤1、ラミネート融剤機1)を整備します。また、脆弱な救急医療体制を強化させるため、日本の中古救急車1台を輸送し、整備を行います。

 

(2)プロジェクト実施の背景

 プロジェクトを実施するリマ州ワロチリ郡は、ペルー中央部山岳地帯に位置し、首都リマから乗り合い車輌で約2時間の、478家族・1,910名が生活している貧困集落です。住民はアンデス山脈沿いに分散型集落を形成し、段差や温暖な気候を利用したアボカド・リンゴ・チリモヤ等の果樹栽培に従事しています。

 ランカ診療所はこの地区の中心的な病院であり、一般内科、産婦人科の診察を実施し、30km周囲内の4簡易診療所(簡易な診察や投薬が可能)を管轄してます。現在まで、同診療所と各簡易診療所間の往来や救急患者の訪問診察、15km離れたより高度な医療サービスを行えるワロチリ病院、55km離れたリマ国立病院への救急患者の移送は、救急車が配備されていないため徒歩あるいは乗り合いバスやトラック等の一般車輌を利用せざるを得ず、患者が横になることもできないため、身体への負担が極めて大きく、移送中に命を落としたケースもありました。

 また、この施設を利用する患者の症状は、寄生虫による胃腸器官系疾病(38%)、貧血(18%)、泌尿器系疾病(15%)、結核・呼吸器系疾病(15%)、妊婦診断(8%)の順となっており、女性・乳幼児が患者の多くを占めています。この施設には、手術や継続的な治療、精密検査が必要かどうかを判断するための簡易検査を行えるよう、検査室が設置されているものの、機材が全く整備されていないことから基礎的な臨床検査さえ行えず、有能なスタッフが揃っているにも関わらず、検査機材の未充足のため、地域住民に対する迅速かつ適切に医療サービスを提供できず、住民は常に脅威に怯えながら生活しています。




山間にあるサイト。中心地区に小学校と当該診療所が所在。

移動は徒歩かロバを用いる。急な坂道である上、道路は未舗装。



 こうした状況の下、当該施設から救急車と検査用医療機材の配備の強い要請を受け、申請団体は当地域の医療アクセス及び医療サービスの充実・強化は緊急かつ重要と考え、当地で活動するJICAの青年海外協力隊員を通して協力団体である(社)日本外交協会に相談したところ、おりしも栃木県に中古救急車1台が見つかりました。しかし、中央・地方政府には、当該車両輸入のために必要となる輸送費・整備費、及び医療機材整備に充当できる予算が確保できないことから、申請団体は日本国大使館に対して資金援助を要請し、今回草の根・人間の安全保障無償資金協力での支援が決定しました。



(3)プロジェクトの効果

 この協力により、同町の住民1,910名、及び同医療網内の居住者11,709名、計13,619名の医療サービス向上に資することができます。また、救急車1台を配備することにより、当該地区の医療サービスのアクセス率が大幅に向上し、迅速な人命救助及び死亡率の低下に貢献できます。さらに、検査機材12台を整備することにより、迅速かつ適切な医療措置の確保に資することができます。

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岸田外務大臣のペルー訪問(2013年4月)


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