草の根・人間の安全保障無償資金協力 「コチャワイコ上水整備計画」に関する署名式
在ペルー日本国大使館は、草の根・人間の安全保障無償資金協力のスキームにより、「コチャワイコ上水整備計画」に対し、総額81,686米ドルの無償資金協力を行うことを決定し、3月25日(水曜日)、リマにおいて、目賀田周一郎大使と調査・教育・開発センター代表との間で贈与契約が行われました。
 署名式の様子
 署名を終え,贈与契約が成立
■プロジェクトの概要 (1)プロジェクトの内容
ペルー中央部山岳地帯に位置するコチャワイコ村において、住民の生活環境改善のための上水施設を建設します。
(2)プロジェクト実施の背景
コチャワイコ村はペルー中央部山岳地帯に位置し、首都リマから乗り合いバスで約2時間半、57家族・185名が生活する貧困集落です。住民の大半は、リンゴ・カリン等の果樹栽培、ニワトリ・ウサギ・クイ(テンジクネズミ)の家畜飼育に従事し、さらには季節労働者としてリマでの出稼ぎを行いながら、最低限の生計を立てています。
当該地区において申請団体は、2005年より、リンゴ酢・リンゴジャム生産支援等を開始させ、リーダーや生産者の育成、組織強化を図ってきました。これにより一定の成果は見られたものの、このような社会開発の実施において、水道・道路などのインフラ整備が非常に遅れていることが原因で、より良い商品開発・販売促進に限界が見られ、住民は未だ貧困から抜け出せずにいました。特に、人口の増加や水道管の漏水により起こっている深刻な水不足のため、リンゴやカリンを洗浄するための水にも事欠き、商品作りが滞り、問題となっていました。


このような状況下で、地元住民は、上水道システムの整備により生活環境の改善を図るため、NGO・地方自治体等への協力を求め、これを受けて申請団体が計画を作成しました。しかしながら、現地NGOや地方政府には当該地域の上水道整備に充当するための予算が十分でないことから、日本国大使館に対して資金援助を要請し、今回草の根・人間の安全保障無償資金協力での支援が決定しました。
(3)プロジェクトの効果
衛生的な飲料水・生活用水の供給が可能となることで、当該地区57家族185名の生活環境向上に資することになります。また、現地女性組織のリンゴ酢、リンゴジャムの生産・販売活動促進にも資することになります。
|