草の根・人間の安全保障無償資金協力
「カサブランカ中学校建設計画」に関する署名式
在ペルー日本国大使館は、草の根・人間の安全保障無償資金協力のスキームにより「カサブランカ中学校建設計画」に対し、総額84,118米ドルの無償資金協力を行うことを決定し、2月21日(木曜日)、リマにおいて、石田仁宏大使と実施団体地方能力開発協会との間で贈与契約が行われました。
署名を終え、贈与契約が成立
■プロジェクトの概要
(1)プロジェクトの内容
?2007年8月15日に発生した地震で崩壊した学校(中等部)において、新たに6教室(各52.08m2)を建設する。
?教員計50名を対象として、被災地の教員が、今後被災により心に傷を負った生徒たちの心理面でのバックアップを行うことが出来るようにするため、専門講師による、心理ケアを含む農村地域の教授法について、計4日間の研修を実施する。
(2)プロジェクト実施の背景
2007年8月15日に、ペルー南西部太平洋沖のイカ州を中心に、マグニチュード7.9を記録する大地震が発生し、死者596名、負傷者1,291名、被災者430,000名以上という悲惨な被害をもたらしました(出展:国家防災庁ホームページ 2008年1月24日現在)。
ペルー南西部のイカ州カサブランカ地区には、元来貧困から逃れようと山岳地帯から移住してきた者が多く住んでいる上、今回の地震によりその多くの住居が倒壊し、不便な生活を余儀なくされてしまいました。この地域にあるカサブランカ中学校では、日干しレンガ造校舎が全壊し、生徒たちは葦で作られた仮設校舎で学習を続けています。
地震で全壊してしまった校舎 仮設校舎で授業を行う様子
ペルー政府は、イカ州内だけでも少なくとも1,149教室の再建が必要と緊急発表をしています。 こうした中、不意な災害に見舞われ不利な状況に陥っている生徒たちが、最低限安全で衛生的な環境で学習できるよう、イカ州周辺において活動する申請団体がこの計画を作成しました。しかし、中央政府や地方政府には、多くの需要に十分に対応できる程の財源がないことから、日本国大使館に対する資金援助が要請され、今回草の根・人間の安全保障無償資金協力での支援が決定しました。
(3)プロジェクトの効果
この協力により、この中学校に在籍する424名の生徒・教員に新たな学習環境が提供できることになります。また、学校機能が回復される事によって、同じ敷地内を使用している幼児部及び初等部の生徒546名、及び42名の教員の教育環境が改善することになります。
|