ペルー経済情勢 2010年

ペルーの経済情勢(2010年2月)

 

1.総論

 最新のペルーの主要経済指標は、経済成長率3.6%(10年1月(前年同月比))、インフレ率0.32%(10年2月(前月比))、対米ドル為替相場2.854ソル(10年2月平均値)、リマ首都圏の完全失業率9.3%(10年1月)、財政収支2,155百万ソル(10年1月)、貿易収支338百万ドルの黒字(10年1月)となった。前月に引き続きGDPが成長した。インフレ率、為替相場も安定しており、経済情勢は引き続き安定して推移している。失業率は若干上昇した。

 

2.各論

(1)主要経済指標

 ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院公表資料によれば、ペルーの主要経済指標は次のとおり。

(イ)経済成長率

最新の経済成長率(GDP(PBI))は、3.6%(1月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は、6.0%であった。漁業セクターの成長率は、-27.1%の成長となった。鉱業セクターの成長率は、1.3%であった。製造業の成長率は、0.2%であった。建設業の成長率は、10.2%となった。(2月分は未公表)

 

(ロ)インフレ率

 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.32%の増加となった。リマ首都圏では、苺(39.3%)、マンゴウ(14.2%)、砂糖(6.3%)、オレンジジュース(6.0%)等の価格が上昇した。一方、コーン(-3.1%)、鰹(-1.4%)、コーヒー(-0.5%)等の価格が下落した。

 最近12ヶ月(09年3月~10年2月)の上昇率は、0.84%。

 

(ハ)為替相場

対米ドル為替相場の平均は2.854ソルとなり、前月に比べ0.002ソル高ドル安となった。

 

(ニ)失業率

 1月のリマ首都圏の完全失業率は9.3%であった。前月に比べ、0.4%悪化している。(2月分は未公表)

 

(ホ)財政収支

 1月の中央政府の財政収支は、歳入が対前年同月比で16.7%増となった。歳出は、対前年同月比で10.3%増となった。全体では、プライマリーバランスは、2,537百万ソルの黒字である。債務の利払いを含めると、2,155百万ソルの黒字となった。(2月分は未公表)

 

  (ヘ)貿易収支

 1月の輸出額は、伝統産品が対前年同月比-16.5%、非伝統産品が対前年同月比-22.2%となり、全体では2,422百万米ドル(対前年同月比-17.7%)の輸出となった。  

輸入額は、消費財(対前年同月比-8.5%)、中間財(同8.8%増)、資本財(同-1.2%)となり、2,083百万米ドル(対前年同月比3.9%増)の輸入となった。この結果、1月の貿易収支は、338百万米ドルの黒字であった。(2月分は未公表)

 

(ト)外貨準備高

  外貨準備高は、35,231百万米ドルで、順調に推移している。

 

(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。

 

(2)最近の主な出来事(発表記事等)

・リマ首都圏鉄道計画

   ペルーの首都リマ市における電車鉄道網計画の車両調達の事前調査のためクーバ運輸通信副大臣が訪日する。運輸通信省によれば、2011年7月までに完成させる予定の1号線をはじめ、全7路線の計画がある。最大6分間隔で車両を運行させることが意図されており、オスワルド首都圏電車整備公社会長は、日本の鉄道は世界で最も近代的であると述べた。ペルー政府は、短期間で車両を調達する必要があり、日本の鉄道会社の保有する中古車両を購入することを検討している。(3月11日)

 

 ・日本へのペルー産マンゴウ輸出解禁

マンゴウ輸出業者協会(APEM)は、生鮮のペルー産ケント種マンゴウ60トンが日本へ輸出された旨発表した。40トンは海路でカヤオから横浜港に向けられ、残りの20トンは空路で送られた。同会長は、日本市場ではマンゴウは高い値段(アメリカの2倍)が付くので、(日本へのマンゴウの輸出は)良いニュースであると強調するとともに、今年の11月に始まる次の出荷では200から400トンが輸出できるであろうが、5000トンを同じく日本に輸出するメキシコが主な競争相手である旨述べた。(3月24日)

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