ペルー経済情勢 2010年

ペルーの経済情勢(2010年3月)

 

 

1.総論

 最新のペルーの月例主要経済指標は、経済成長率3.6%(10年1月(前年同月比))、インフレ率0.28%(10年3月(前月比))、対米ドル為替相場2.839ソル(10年3月平均値)、リマ首都圏の完全失業率10.5%(10年2月)、財政収支283百万ソル(10年2月)、貿易収支798百万ドルの黒字(10年2月)となった。インフレ率、為替相場も安定しており、財政収支も黒字で経済情勢は引き続き安定して推移している。失業率は若干上昇した。

 

2.各論

(1)主要経済指標

 ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院公表資料によれば、ペルーの主要経済指標は次のとおり。

(イ)経済成長率

最新の経済成長率(GDP(PBI))は、3.6%(1月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は、6.0%であった。漁業セクターの成長率は、-27.1%となった。鉱業セクターの成長率は、1.3%であった。製造業の成長率は、0.2%であった。建設業の成長率は、10.2%となった。(2月及び3月分は未公表)

 

(ロ)インフレ率

 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は、0.28%の増加となった。リマ首都圏では、苺(36.3%)、人参(21.2%)、セロリ(4.9%)、カカオ(5.3%)等の価格が上昇した。一方、チリモヤ(-19.0%)、バナナ(-5.5%)、レタス(-15.1%)等の価格が下落した。

 最近12ヶ月(09年4月~10年3月)の上昇率は、0.76%。

 

(ハ)為替相場

対米ドル為替相場の平均は2.839ソルとなり、前月に比べ0.015ソル高ドル安となった。

 

(ニ)失業率

 2月のリマ首都圏の完全失業率は10.5%であった。前月に比べ、1.2%悪化している。(3月分は未公表)

 

(ホ)財政収支

 2月の中央政府の財政収支は、歳入が対前年同月比で15.5%増となった。歳出は、対前年同月比で16.3%増となった。全体では、プライマリーバランスは、283百万ソルの黒字である。債務の利払いを含めると、605百万ソルの赤字となった。(3月分は未公表)

 

  (ヘ)貿易収支

 2月の輸出額は、伝統産品が対前年同月比10.7%、非伝統産品が対前年同月比8.2%となり、全体では2,666百万米ドル(対前年同月比10.1%)の輸出となった。  

輸入額は、消費財(対前年同月比4.4%)、中間財(同-13.2%)、資本財(同-9.2%)となり、1,869百万米ドル(対前年同月比-10.3%)の輸入となった。この結果、2月の貿易収支は、798百万米ドルの黒字であった。(3月分は未公表)

 

(ト)外貨準備高

  外貨準備高は、35,269百万米ドルで、順調に推移している。

 

(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。

 

(2)最近の主な出来事(発表記事等)

・IMF及び世銀の発表(ペルー本年GDP)

   IMF及び世銀の予測によれば、ラテンアメリカ全体では、本年、明年にそれぞれ4%の成長が見込まれる。同予測によれば、ペルーの本年における成長率6.3%は中南米最高値であり、明年は6.0%を予測。世銀は、ペルー、ブラジル、チリ等、中国との結びつきが強い国ほど経済危機からの回復が力強い旨指摘した。(4月22日)

 

 

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