ペルー経済情勢 2010年 ペルーの経済情勢(2010年4月)
1.総論 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率5.9%(2010年2月(前年同月比)),インフレ率0.03%(10年4月(前月比)),対米ドル為替相場2.840ソル(10年4月平均値),リマ首都圏の完全失業率7.7%(10年3月),財政収支1,417百万ソル(10年3月),貿易収支299百万ドルの黒字(10年3月)となった。為替相場も安定しており,財政収支は黒字で経済情勢は引き続き安定して推移している。失業率も改善傾向にある。
2.各論 (1)主要経済指標 ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院公表資料によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。 (イ)経済成長率 最新の経済成長率(GDP(PBI))は,5.9%(2月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,2.0%,漁業セクターの成長率は,-15.7%,鉱業セクターの成長率は,2.9%,製造業の成長率は,7.2%,建設業の成長率は,16.1%となった。(3月及び4月分は未公表)
(ロ)インフレ率 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.03%の増加となった。リマ首都圏では,苺(65.2%),アスパラガス(17.2%),ネギ(16.7%),マンゴウ(13.3%)等の価格が上昇した。一方,唐辛子(-20.7%),グリーンピース(-12.9%),チリモヤ(-11.7%)等の価格が下落した。 最近12ヶ月(09年5月~10年4月)の上昇率は,0.76%。
(ハ)為替相場 対米ドル為替相場の平均は2.840ソルとなり,前月に比べ0.001ソル安ドル高となった。
(ニ)失業率 3月のリマ首都圏の完全失業率は7.7%であった。前月に比べ,2.8%改善した。(4月分は未公表)
(ホ)財政収支 3月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で36.3%増となった。歳出は,対前年同月比で21.9%増となった。全体では,プライマリーバランスは,1,417百万ソルの黒字である。債務の利払いを含めると,1,103百万ソルの黒字となった。(4月分は未公表)
(ヘ)貿易収支 3月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比0.5%,非伝統産品が対前年同月比2.8%となり,全体では2,674百万米ドル(対前年同月比1.1%)の輸出となった。 輸入額は,消費財(対前年同月比23.9%),中間財(同26.1%),資本財(同29.5%)となり,2,375百万米ドル(対前年同月比26.8%)の輸入となった。この結果,3月の貿易収支は,299百万米ドルの黒字であった。(4月分は未公表)
(ト)外貨準備高 外貨準備高は,35,049百万米ドルで,順調に推移している。
(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事(発表記事等) ・日系企業がペルーにおけるデジタルテレビ関連の工場建設検討 クーバ通信副大臣は,デジタルテレビのデコーダーや受像機を製造する工場をタクナ(ペルー最南部,チリとの国境近く)のフリーゾーンに設置すべく日本企業数社が関心を持って検討していると述べた。昨年9月に,東芝の代表が来訪し,フリーゾーンのインフラや税制について照会し,チリ,ペルー,アルゼンチン,ブラジル,ベネズエラに通じる同地の戦略的地理位置に関心を示した。(4月11日)
・砂糖価格の上昇と緊急輸入措置 国内市場における砂糖価格の急激な上昇を受け,今般,政府は大統領令をもって非常事態を宣言し,5万トンの緊急輸入や主要輸入業者に対する資金貸付けの措置を取ることを決定した。また,主要業者は供給能力の拡大や国内産砂糖の輸出見合わせ等の方針を固めた。デ・コルドバ農業大臣は,国内供給のための砂糖は確保されており,価格も安定化に向かっていると述べた。(4月27日)
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