ペルー経済情勢 2010年

ペルーの経済情勢(2010年5月)

                                                       

1.総論

 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率9.26%(4月(前年同月比)),インフレ率0.24%(5月(前月比)),対米ドル為替相場2.845ソル(5月平均値),リマ首都圏の完全失業率8.8%(4月),財政収支2,294百万ソル(4月),貿易収支324百万ドルの黒字(4月)となった。

財政収支は黒字で経済情勢は引き続き安定して推移している。経済成長率は引き続き高成長を記録した。

 

2.各論

(1)主要経済指標

 ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院公表資料によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。

(イ)経済成長率

最新の経済成長率(GDP)は,9.26%(4月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,6.73%,漁業セクターの成長率は,-32.31%,鉱業セクターの成長率は,-4.71%,製造業の成長率は,16.36%,建設業の成長率は,21.08%となった。(5月分は未公表)

 

(ロ)インフレ率

 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.24%の増加となった。リマ首都圏では,ニンジン(15.9%),トマト(15.4%),タマネギ(7.9%)及びガソリン(5.2%)等の価格が上昇した。一方,レタス(-18.4%),ミカン(-8.7%),砂糖(-1.8%)等の価格が下落した。

 最近12ヶ月(09年6月~10年5月)の上昇率は,1.04%。

 

(ハ)為替相場

対米ドル為替相場の平均は2.845ソルとなり,前月に比べ0.005ソル安ドル高となった。

 

(ニ)失業率

 4月のリマ首都圏の完全失業率は8.8%であった。前月に比べ,1.1%上昇した。(5月分は未公表)

 

(ホ)財政収支

 4月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で23.2%増となった。歳出は,対前年同月比で24.8%増となった。全体では,プライマリーバランスは,2,294百万ソルの黒字である。債務の利払いを含めると,1,869百万ソルの黒字となった。(5月分は未公表)

 

  (ヘ)貿易収支

 4月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比43.1%,非伝統産品が対前年同月比30.9%となり,全体では2,546百万米ドル(対前年同月比40.4%)の輸出となった。  

輸入額は,消費財(対前年同月比35.7%),中間財(同46.3%),資本財(同10.9%)となり,2,222百万米ドル(対前年同月比32.8%)の輸入となった。この結果,貿易収支は,324百万米ドルの黒字であった。(5月分は未公表)

 

(ト)外貨準備高

  外貨準備高は,34,610百万米ドルで,順調に推移している。

(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。

 

(2)最近の主な出来事(発表記事等)

・1月から4月のトラック販売,190%増加

   新車販売は,国際金融危機の影響を受けて,2009年に17%減少していたが,本年に入って売り上げは増加傾向にあり,本年1月から4月までに前年同期比90%の伸びとなった。鉱業,観光業における需要の回復,大型インフラ整備計画及び経済活動の拡大が売上増の主な要因。乗用車販売台数順位は,1位トヨタ,2位起亜,3位現代,4位日産,5位スズキ。(5月25日)

 

・ペルー,南米地域で最初の液化天然ガス輸出国に

  6月10日,ガルシア大統領,エネルギー鉱山大臣等を招き,パンパ・メルチョリータ(リマから南へ約170㎞地点)において,クスコ州カミセア・ガス田の天然ガス液化プラント及びパイプライン開通式が行われ,稼働が開始された。総工費は約38億ドル。メキシコに15年間輸出する販売契約がなされており,北米,アジアへの輸出も検討されている。日系企業を含む4社のコンソーシアムにより出資。ペルーは,南米地域で最初の液化天然ガス輸出国となった。(6月11日)

 

 

 

法的事項 | アクセシビリティについて | プライバシーポリシー |