ペルー経済情勢 2010年 ペルーの経済情勢(2010年7月)
1.総論 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率11.9%(6月:前年同月比),インフレ率0.36%(7月:前月比),対米ドル為替相場2.823ソル(7月平均値),リマ首都圏の完全失業率7.3%(7月),財政収支524百万ソル(6月),貿易収支804百万ドルの黒字(6月)となった。 経済成長率は引き続き高成長を記録している。
2.各論 (1)主要経済指標 ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院公表資料によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。 ア 経済成長率 最新の経済成長率(GDP)は,11.9%(6月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,4.2%,漁業セクターの成長率は,9.5%,鉱業セクターの成長率は,7.9%,製造業の成長率は,21.6%,建設業の成長率は,22.7%となった。(7月分は未公表)
イ インフレ率 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.36%となった。リマ首都圏では,ジャガイモ(9.8%),タマゴ(3.4%)等の価格が上昇した。一方,イチゴ(-30.1%),グリーンピース(-18.0%),ニンジン(-15.6%)等の価格が下落した。 最近12ヶ月(09年8月~10年7月)の上昇率は,1.82%。
ウ 為替相場 対米ドル為替相場の平均は2.823ソルとなり,前月に比べ0.015ソル高ドル安となった。
エ 失業率 7月のリマ首都圏の完全失業率は7.3%であった。前月に比べ,0.1%上昇した。
オ 財政収支 6月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で25.6%増となった。歳出は,対前年同月比で14.6%増となった。全体では,プライマリーバランスは,524百万ソルの黒字である。債務の利払いを含めると,445百万ソルの黒字となった。(7月分は未公表)
カ 貿易収支 6月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比43.3%,非伝統産品が対前年同月比30.5%増加し,全体では3,092百万米ドル(対前年同月比40.8%)となった。 輸入額は,対前年同月比で消費財が48.9%,中間財が27.8%,資本財が46.9%に増加し,全体で2,289百万米ドル(対前年同月比37.3%)となった。この結果,貿易収支は,804百万米ドルの黒字となった。(7月分は未公表)
キ 外貨準備高 外貨準備高は,38,635百万米ドルで,順調に推移している。 8月分は未公表なるも報道情報につき下記(2)のとおり。 (注)表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事(発表記事等) ・通貨準備高,史上最高額を更新 中銀は21日,通貨準備高が406.3億と前月末より20億ドル増えて史上最高額を更新したと発表。ドル安基調への対応で中銀が連日の市場介入の結果,ドルの持ち高が前月比で116.4億ドル増加したことなどが要因。年初来の介入額は64.9億ドルに達し,市場関係者は市場安定目的での中銀の積極的介入は今後も続くと見ている。(8月23日) ・今年度のGDP成長率予測 経済財政省は,2010年におけるペルー経済の成長率予測を5.5%から6.8%に上方修正した。なお,同省は,2011年には5%の成長が見込まれるとしている。アラオス大臣は,世界金融危機の後,GDPが予想以上に増大したことが,上方修正の理由であると述べた。経済財政省によれば,本年,国内需要は9.4%,輸出は1.96%,輸入は15.2%の増加がそれぞれ見込まれる。国内需要の増加は,民間消費(3.7%),公的消費(9.9%),民間投資(13.4%)及び公的投資(32.6%)の伸びによる。(8月27日)
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