ペルー経済情勢 2010年 ペルーの経済情勢(2010年8月)
1.総論 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率9.05%(7月:前年同月比),インフレ率0.27%(8月:前月比),対米ドル為替相場2.802ソル(8月平均値),リマ首都圏の完全失業率7.3%(7月),財政収支-1,937百万ソル(7月),貿易収支445百万ドルの黒字(7月)となった。 経済成長率は引き続き高成長を記録している。
2.各論 (1)主要経済指標 ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院公表資料によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。 ア 経済成長率 最新の経済成長率(GDP)は,9.05%(7月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,3.58%,漁業セクターの成長率は,-14.57%,鉱業セクターの成長率は,3.66%,製造業の成長率は,17.24%,建設業の成長率は,12.33%となった。(8月分は未公表)
イ インフレ率 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.27%となった。リマ首都圏では,ニンニク(41.4%),レモン(25.6%),ジャガイモ(15.6%)等の価格が上昇した。一方,イチゴ(-27.2%),ニンジン(-19.5%),トマト(-7.9%)等の価格が下落した。 最近12ヶ月(09年9月~10年8月)の上昇率は,2.31%。
ウ 為替相場 対米ドル為替相場の平均は2.802ソルとなり,前月に比べ0.021ソル高ドル安となった。
エ 失業率 7月のリマ首都圏の完全失業率は7.3%であった。前月に比べ,0.1%上昇した。
オ 財政収支 7月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で24.3%増となった。歳出は,対前年同月比で5.3%減となった。全体では,プライマリーバランスは,7ヶ月ぶりに赤字となった。公共投資などの歳出が増えたことによるものと見られる。(8月分は未公表)
カ 貿易収支 7月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比26.6%,非伝統産品が対前年同月比22.9%増加し,全体では2,964百万米ドル(対前年同月比25.9%)となった。 輸入額は,対前年同月比で消費財が44.8%,中間財が51.4%,資本財が32.7%に増加し,全体で2,519百万米ドル(対前年同月比44.0%)となった。この結果,貿易収支は,445百万米ドルの黒字となった。(8月分は未公表)
キ 外貨準備高 外貨準備高は,40,204百万米ドルで,順調に推移している。 (注)表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事(発表記事等) ・2011年度予算案の議会提出 ペルー政府は次年度予算案について,8月末に議会に提出した。同予算の総額は,約884.6億ソル(約316億米ドル)で,2010年度予算から8%増加。内訳は,教育130.2億ソル,債務支払い100.1億ソル,運輸99.8億ソル,社会保障99.1億ソル,保健77.3億ソル,治安42.6億ソル,国防32.7億ソル,農牧21.1億ソル等(なお,政府は保健医療や教育,水道等基幹インフラ整備に直接的に予算を配分し,また,景気過熱を防ぐ目的に基づく編成をしたとしている。)。中央政府への予算集中が目立ち,地方自治体からは疑問の声もある。(9月2日)
・航空宇宙産業分野での官民合同ミッションのペルー訪問 9月1日及び2日,日本航空宇宙工業会,経済産業省,文部科学省,総務省,関連日本企業等による官民合同ミッションが,ペルー外務省,宇宙庁等を訪問した。パスコ宇宙庁長官は,日本からの訪問を歓迎すると共に,ペルーが将来的に人工衛星を保有し,森林保全,防災等に活用する計画や今後の宇宙航空分野での日本との学術交流を含めた協力の可能性について好意的に発表した。(9月3日) ・中央銀行,政策金利を引き上げ 中央銀行は9月,政策金利を0.5ポイント引き上げ3%とした。利上げは本年5月以来5ヶ月連続で,上げ幅はいずれも0.5ポイント。中銀は今次利上げにつき,内需の力強い伸びに対応し,インフレ率を政府目標値に抑えるための措置と説明。今後はインフレ動向を見極めながら対応するとしている。(9月10日)
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