ペルー経済情勢 2011年

ペルーの経済情勢(2011年8月)

1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率6.52%(7月:前年同月比),インフレ率0.27%(8月:前月比),対米ドル為替相場2.740ソル(8月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.8%(7月),財政収支−970百万ソル(7月),貿易収支1,147百万ドルの黒字(7月)となった。引き続き好調なGDP成長率を記録している。

 

2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。

ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,6.52%(7月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,8.13%,漁業セクターの成長率は,75.78%,鉱業セクターの成長率は,−4.20%,製造業の成長率は,3.90%,建設業の成長率は,−2.90%となった。(8月分は未公表)

 

イ インフレ率
 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.27%となった。リマ首都圏では,カボチャ(43.3%),ニンジン(22.0%),トマト(8.4%)等の価格が上昇した。一方,アスパラガス(−20.0%),タマネギ(−12.8%),レモン(−5.4%)等の価格が下落した。
最近12ヶ月(10年9月〜11年8月)の上昇率は,3.35%。

 

ウ 為替相場
8月の対米ドル為替相場の平均は2.740ソルとなり,前月に比べ0.001ソル高ドル安となった。

 

エ 失業率
7月のリマ首都圏の完全失業率は6.8%であった。前月に比べ,0.5%減少した。(8月分は未公表)

 

オ 財政収支
7月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で16.3%増となった。歳出は,対前年同月比で3.6%減となった。全体では,プライマリーバランスは,2ヶ月連続の赤字となった。債務の利払いを含めると,−970百万ソルの赤字となった。(8月分は未公表)

 

カ 貿易収支
7月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比40.9%,非伝統産品が対前年同月比33.7%増加し,全体では4,196百万米ドル(対前年同月比39.3%)となった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が14.2%,中間財が18.1%,資本財が23.7%に増加し,全体で3,049百万米ドル(対前年同月比20.1%)となった。この結果,貿易収支は,1,147百万米ドルの黒字となった。(8月分は未公表)

 

キ 外貨準備高
8月の外貨準備高は,48,515百万米ドルで,増大を続けている。

                       (注)表中の数値は今後修正される可能性あり。

 

 

(2)最近の主な出来事(発表記事等)

 

ペルーの上半期自動車販売台数
7月の自動車販売台数は,好調を維持し対前年同月比大幅増加,11,671台(前年同月比13.9%増)を記録した。他方,日本自動車各社は,若干の回復基調が見られるものの,3月11日に発生した地震,津波により日本車の供給が滞ったことが,ペルーにおける日本車販売シェア低下の要因となった。(8月22日)

 

・新鉱山税制の発表
レルネル首相は,ウマラ政権首相所信表明演説において,鉱山企業と年30億ソルの余剰利益税の支払に合意した,新たな税収入は,5年で150億ソルに達する。本税制は,鉱山企業の投資,競争力に影響はなく,今後5年間に予定されている投資を円滑にする旨述べた。なお,エレラ・エネルギー鉱山相は,今後2,3週間かけ,政府と企業は,年30億ソルを確保するため,課税率に係る技術会合を継続する旨述べた。(8月25日)

 

・ペルー政府2012年予算案の提出
ペルー政府は2012年予算案を国会に提出した。予算案の総額は,955億3500万ソルであり,2011年予算に比して8%の増額。ウマラ大統領の選挙公約である社会経済的弱者に対する支援施策に係る「社会プログラム」の予算として1,429百万ソルが計上されている。(8月30日)

 

・ペルーの公債格付け引上げ
米大手格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は,ペルーの外貨建て公債長期格付けを「BBB−」から「BBB」へと引き上げた。ペルーはメキシコと同じ格付けとなり,ブラジルを上回る評価を得た。また,短期の外貨建て債務に係る当国の格付けは「A−3」,現地通貨建て債務に係る格付けは「BBB+/A−2」となっている。(8月31日)

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