ペルー経済情勢 2010年

ペルーの経済情勢(2010年9月)

                                                       

1.総論

 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率9.22%(8月:前年同月比),インフレ率-0.03%(9月:前月比),対米ドル為替相場2.791ソル(9月平均値),リマ首都圏の完全失業率7.7%(8月),財政収支1,144百万ソル(8月),貿易収支370百万ドルの黒字(8月)となった。

経済成長率は引き続き高成長を記録している。

 

2.各論

(1)主要経済指標

 ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院公表資料によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。

ア 経済成長率

最新の経済成長率(GDP)は,9.22%(8月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,-1.69%,漁業セクターの成長率は,-35.44%,鉱業セクターの成長率は,-12.19%,製造業の成長率は,18.99%,建設業の成長率は,14.15%となった。(9月分は未公表)

 

イ インフレ率

 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,-0.03%となった。リマ首都圏では,レモン(14.7%),アボガド(16.7%),プロパンガス(1.7%)等の価格が上昇した。一方,ニンニク(-17.6%),トウモロコシ(-12.7%),タマゴ(-5.8%)等の価格が下落した。

 最近12ヶ月(09年10月~10年9月)の上昇率は,2.37%。

 

ウ 為替相場

対米ドル為替相場の平均は2.791ソルとなり,前月に比べ0.011ソル安ドル高となった。

 

エ 失業率

 8月のリマ首都圏の完全失業率は7.7%であった。前月に比べ,0.4%上昇した。

 

オ 財政収支

 8月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で21.3%増となった。歳出は,対前年同月比で3.5%増となった。全体では,プライマリーバランスは,2ヶ月ぶりに黒字となった。債務の利払いを含めると,270百万ソルの黒字となった。(9月分は未公表)

 

 カ 貿易収支

 8月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比30.5%,非伝統産品が対前年同月比15.1%増加し,全体では2,952百万米ドル(対前年同月比27.2%)となった。  

輸入額は,対前年同月比で消費財が55.6%,中間財が40.4%,資本財が56.7%に増加し,全体で2,582百万米ドル(対前年同月比48.5%)となった。この結果,貿易収支は,370百万米ドルの黒字となった。(9月分は未公表)

 

キ 外貨準備高

  外貨準備高は,42,464百万米ドルで,順調に推移している。

  

(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。

 

(2)最近の主な出来事(発表記事等)

・経済財政大臣,景気先行きに明るい見通し

ベナビデス経済財務相は,今年のGDP伸び率は8%~8.5%となり,アジア諸国並みが予想されると景気先行きに明るい見通しを示唆。インフレ率も低めで推移しており,設備投資も盛んでペルー経済は好材料が多いと付け加えた。他方,引き続き,水や電気網のインフラ整備を含む貧困問題の課題に取り組む姿勢も示した。(10月6日)

 

・IMF,GDP成長率引き上げ

IMFの見通しによれば,ペルーの2010年のGDP成長率は,前年度比8.3%であり,6ヶ月前に発表された6.3%から上方修正された。また,2011年は6.0%の成長が見込まれる。カリブ諸国を加えた中南米全域では5.7%(2010年)成長と見込んでおり,同地域は予想されていたよりもいち早く経済危機から脱したとIMFはコメントしている。また,ペルーの成長が,ブラジル,チリ,コロンビアとともに域内の成長グループを構成すると強調した。(10月7日)

 

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