ペルー経済情勢 2011年
ペルーの経済情勢(2011年9月)
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率7.49%(8月:前年同月比),インフレ率0.33%(8月:前月比),対米ドル為替相場2.744ソル(9月平均値),リマ首都圏の完全失業率8.2%(9月),財政収支783百万ソル(8月),貿易収支1,075百万ドルの黒字(8月)となった。引き続き好調なGDP成長率を記録している。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,7.49%(8月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,5.83%,漁業セクターの成長率は,82.57%,鉱業セクターの成長率は,2.30%,製造業の成長率は,5.09%,建設業の成長率は,6.66%となった。(9月分は未公表)

イ インフレ率
インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.33%となった。リマ首都圏では,ガソリン(2.1%),電気料金(1.1%)等の価格が上昇した。一方,レタス(-17.1%),ブロッコリー(-16.6%),パパイヤ(-4.6%)等の価格が下落した。
最近12ヶ月(10年10月~11年11月)の上昇率は,3.73%。

ウ 為替相場
9月の対米ドル為替相場の平均は2.744ソルとなり,前月に比べ0.004ソル安ドル高となった。

エ 失業率
9月のリマ首都圏の完全失業率は8.2%であった。前月に比べ,1.3%増加した。

オ 財政収支
8月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で14.0%増となった。歳出は,対前年同月比で5.6%増となった。全体では,プライマリーバランスは,3ヶ月ぶりの黒字となった。債務の利払いを含めると,783百万ソルの黒字となった。(9月分は未公表)

カ 貿易収支
8月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比54.1%,非伝統産品が対前年同月比47.4%増加し,全体では4,559百万米ドル(対前年同月比52.7%)となった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が29.5%,中間財が44.9%,資本財が24.2%に増加し,全体で3,484百万米ドル(対前年同月比35.1%)となった。この結果,貿易収支は,1,075百万米ドルの黒字となった。(9月分は未公表)

キ 外貨準備高
9月の外貨準備高は,48,068百万米ドルで,順調に推移している。

(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事(発表記事等)
・ビジネス環境ランキング
米経済誌フォーブス誌が今般発表した,134の国と地域を対象とする本年のビジネス環境ランキングにおいて,ペルーは昨年より7位上昇し,世界で第42位となった。この評価には,知的財産権,イノベーション,税制,技術,汚職,自由度(個人,貿易,金融),官僚主義,投資の保護,証券市場等の要素が考慮されている。中南米ではチリ(世界第24位)が最高の評価を維持し,ペルーが域内第2位であった。(10月5日)
・ペルー鉱山投資額
エネルギー鉱山省は,本年1~8月期のペルーにおける鉱業投資は総額約44.39億米ドルに達し,昨年同時期比で70%の増加,同時期に鉱業部門においては21.8%の雇用増(約18.3万人)があったと発表。(10月13日)
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