ペルー経済情勢 2010年 ペルーの経済情勢(2010年10月)
1.総論 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率10.41%(9月:前年同月比),インフレ率-0.14%(10月:前月比),対米ドル為替相場2.792ソル(10月平均値),リマ首都圏の完全失業率7.9%(9月),財政収支170百万ソル(9月),貿易収支584百万ドルの黒字(9月)となった。 経済成長率は引き続き高成長を記録している。
2.各論 (1)主要経済指標 ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院公表資料によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。 ア 経済成長率 最新の経済成長率(GDP成長率)は,10.41%(9月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,4.08%,漁業セクターの成長率は,-36.13%,鉱業セクターの成長率は,-8.49%,製造業の成長率は,16.68%,建設業の成長率は,22.97%となった。(10月分は未公表)
イ インフレ率 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,-0.14%となった。リマ首都圏では,とうがらし(34.9%),鰹(25.0%),砂糖(8.7%)等の価格が上昇した。一方,トウモロコシ(-20.8%),ニンニク(-20.3%),タマゴ(-15.1%)等の価格が下落した。 最近12ヶ月(09年11月~10年10月)の上昇率は,2.10%。
ウ 為替相場 対米ドル為替相場の平均は2.792ソルとなり,前月に比べ0.001ソル安ドル高となった。
エ 失業率 9月のリマ首都圏の完全失業率は7.9%であった。前月に比べ,0.2%上昇した。
オ 財政収支 9月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で22.5%増となった。歳出は,対前年同月比で26.6%増となった。全体では,プライマリーバランスは,2ヶ月連続の黒字となった。債務の利払いを含めると,-117百万ソルの赤字となった。(10月分は未公表)
カ 貿易収支 9月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比35.0%,非伝統産品が対前年同月比18.8%増加し,全体では3,281百万米ドル(対前年同月比31.6%)となった。 輸入額は,対前年同月比で消費財が44.2%,中間財が30.6%,資本財が76.6%に増加し,全体で2,696百万米ドル(対前年同月比46.3%)となった。この結果,貿易収支は,584百万米ドルの黒字となった。(10月分は未公表)
キ 外貨準備高 外貨準備高は,42,956百万米ドルで,順調に推移している。 (注)表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事(発表記事等) ・日・ペルー経済連携協定の交渉完了 菅内閣総理大臣とガルシア大統領はAPEC首脳会議の終了後,FTA交渉終結を正式に確認する文書に署名。ガルシア大統領は,日本との経済連携協定は極めて重要である,菅総理と日本政府の決断に感謝する。(協定発効の時期については)両国による,より正確な翻訳を行った後に発効する旨述べた。(11月15日)
・経済見通しの上方修正 ベナビデス経済財政大臣は,今年のペルーの経済成長率を8.2%~8.5%の間になると上方修正した。同大臣は,今年の第2四半期は10.2%成長し,第3四半期は9月のデータがないものの9%台の成長となる見込みであり,エネルギー消費及びセメントの売り上げから見て,10月の成長は力強いと述べた。(11月12日)
・世銀ビジネス環境ランキング ガルシア大統領及びベナビデス経済財政大臣は,国際金融公社(IFC)が発表したビジネス環境国別ランキングの中で,世界183国のうちペルーは36位(2010年は46位)となったことについて述べ,南米では最高の投資環境にあると強調した。南米では,ペルー36位,コロンビア39位,チリ43位等となっており,ペルーは南米で最もビジネス環境のランキングが高い。なお,ガルシア大統領は,明年におけるペルーの目標として,25位までのランクアップを掲げている。 |
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