ペルー経済情勢 2011年

ペルーの経済情勢(2011年11月)

 

1 総論

 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率5.12%10月:前年同月比),インフレ率0.43%(11月:前月比),対米ドル為替相場2.705ソル(11月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.9%(10月),財政収支1,006百万ソル(10月),貿易収支623百万ドルの黒字(10月)となった。GDP成長率は,年初以来,徐々に低下傾向にある。

 

2 各論

(1)主要経済指標

 ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。

ア 経済成長率

最新の経済成長率(GDP成長率)は,5.12%(10月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,2.09%,漁業セクターの成長率は,32.53%,鉱業セクターの成長率は,−2.17%,製造業の成長率は,−0.78%,建設業の成長率は,4.40%となった。(11月分は未公表)

経済情勢2011年11月

 

イ インフレ率

 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.43%となった。リマ首都圏では,レモン(8.6%),ジャガイモ(3.9%),鶏肉(1.3%)等の価格が上昇した。一方,カボチャ(−10.0%),マンゴウ(−5.8%),リンゴ(−5.1%)等の価格が下落した。

 最近12ヶ月(10年12月〜11年11月)の上昇率は,4.64%。

経済情勢2011年11月

 

ウ 為替相場

11月の対米ドル為替相場の平均は2.705ソルとなり,2009年以来,徐々にソル高ドル安の傾向が続いている。

経済情勢2011年11月

 

エ 失業率

 10月のリマ首都圏の完全失業率は6.9%であった。ここ数ヶ月ほぼ7%前後で推移している。(11月分は未公表)

経済情勢2011年11月

 

オ 財政収支

 10月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で11.6%増となった。歳出は,対前年同月比で2.3%増となった。全体では,プライマリーバランスは,3ヶ月連続の黒字となった。債務の利払いを含めても,1,006百万ソルの黒字となった。(11月分は未公表)

経済情勢2011年11月

 

 カ 貿易収支

 10月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比20.5%,非伝統産品が対前年同月比14.3%増加し,全体では3,752百万米ドル(対前年同月比19.0%)となった。

輸入額は,対前年同月比で消費財が11.6%,中間財が16.4%,資本財が22.9%に増加し,全体で3,129百万米ドル(対前年同月比17.5%)となった。この結果,貿易収支は,623百万米ドルの黒字となった。(11月分は未公表)

経済情勢2011年11月

 

キ 外貨準備高

11月の外貨準備高は,49,050百万米ドルで,増加傾向が続いている。

 経済情勢2011年11月

(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。

 

(2)最近の主な出来事(発表記事等)

・2012年度の予算案承認

ペルー2012年国家予算は,国会で承認された。955億35百万ソル(約35億ドル),前年度比約8%増であり,約70億ソルの増加となった。(12月5日)

・ペルー鉱業投資

鉱業活動に係る社会紛争は,本年第3四半期までの鉱業投資額には影響なく,投資額は46.67億米ドル(対前年同期比67.2%増)に達した。また,エネルギー鉱山省は,不法(インフォーマル)鉱業者のフォーマル化を促進すべく,右を実施する地方専門機関の創設法案を提出する予定で,近く首相府と協議すると発表した。(12月6日)

・ペルー・グアテマラFTA

シルバ通商観光相(ペルー)とグアテマラのベラスケス経済相が,グアテマラシティにおいて両国間FTAへの署名を行った。同協定は今後グアテマラ国会の審議・承認を経て,明年第一四半期にも発効する見込み。(12月6日)

・日・ペルーEPA

日本の国会が日・ペルーEPAを承認した。この後日本国内の諸手続き,通告公文の交換を経て,明年3月1日には発効の見通しである。本協定の発効により,現在日・ペルー両国が貿易している物品の99%の関税が10年以内に撤廃されることとなる。(12月9日)

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