ペルー経済情勢 2011

ペルーの経済情勢(2011年12月)

 

1 総論
 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率4.95%(11月:前年同月比),インフレ率0.27%(12月:前月比),対米ドル為替相場2.696ソル(12月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.1%(11月),財政収支933百万ソル(11月),貿易収支6百万ドルの黒字(11月)となった。GDP成長率は,昨年初以来,徐々に低下傾向にあるが,2011年の成長率は,6.5%前後になる見通し。

 

2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。


ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,4.95%(11月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,2.65%,漁業セクターの成長率は,1.29%,鉱業セクターの成長率は,−1.67%,製造業の成長率は,−0.73%,建設業の成長率は,3.23%となった。(12月分は未公表)


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イ インフレ率
 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.27%となった。リマ首都圏では,みかん(18.1%),トウモロコシ(8.0%),ジャガイモ(3.0%)等の価格が上昇した。一方,カボチャ(−16.4%),鰹(−13.6%),トマト(−8.2%)等の価格が下落した。
 最近12ヶ月(2011年)の上昇率は,4.74%。


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ウ 為替相場
12月の対米ドル為替相場の平均は2.696ソルとなり,ソル高ドル安の傾向が続いている。


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エ 失業率
11月のリマ首都圏の完全失業率は6.1%であり,2ヶ月連続で改善している。(12月分は未公表)

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オ 財政収支
11月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で16.3%増となった。歳出は,対前年同月比で9.8%減となった。全体では,プライマリーバランスは,4ヶ月連続の黒字となった。債務の利払いを含めても,933百万ソルの黒字となった。(12月分は未公表)


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カ 貿易収支
11月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比−8.3%,非伝統産品が対前年同月比17.4%増加し,全体では3,234百万米ドル(対前年同月比−2.3%)となった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が20.1%,中間財が19.9%,資本財が18.2%増加し,全体で3,229百万米ドル(対前年同月比19.4%)となった。この結果,貿易収支は,6百万米ドルの黒字となった。(12月分は未公表)

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キ 外貨準備高
12月の外貨準備高は,48,816百万米ドルであった。


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                                                  (注)表中の数値は今後修正される可能性あり。

 

(2)最近の主な出来事(発表記事等)


・2012年予算国会承認
2012年度政府原案,予算総額(955億3500万ソル)が国会で承認され,大統領令が発出された。尚,鉱業分野については,79百万ソル(2011年予算では80百万ソル)の計上となった。(12月9日)

 

・コンガ鉱山に係る反鉱山運動
カハマルカ州のコンガ鉱山開発関係当局(自治体等)の代表者,地元住民指導者,企業側代表と,バルデス首相が率いる中央政府の対話(サントス知事は不参加)は,コンガ鉱山の環境面での影響に係る国際評価を進める方向で合意が達成され,評価の要領等を内容とする議事録への署名に至った。(12月27日)

 

・2011年ペルー産果実類輸出の増大
2011年のペルー産果実類の輸出額は前年比30%増の9億800万ドルとなった。2005年のペルーからの果物の輸出は1億6,700万ドルであったのに対し,5倍以上の伸びを見せている。(1月4日)

 

・バルデス新内閣の信任
バルデス新首相が,国会本会議にて,マクロ経済政策及び社会的包摂を伴う経済成長(社会政策拡大のための歳入を生み出す経済成長,低インフレ率の維持),税の捕捉率の改善(歳入を,2016年にGDPの18%に引き上げるべく,税の捕捉率を改善し,脱税には重罰を科す),責任ある鉱業及び社会紛争への対応(首相府内に社会紛争予防・解決局を設置,環境保護基金,社会的包摂基金を設置し,事前に住民と協議を行い鉱業開発を行うと同時に,違法鉱業対策を行う)等に係る就任演説を行い,信任された。(1月5日)

 

・2011年自動車・バイク販売台数の増大
2011年のペルー自動車販売台数は,対前年比25%増加の144,485台となった。ペルー自動車協会は,2012年自動車販売台数を対前年比20%増の18万台と予測。また,バイク市場も活発な動向が続いており,2011年販売台数は,対前年比29%増の26万2126台を記録した。(1月6日)

 

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