ペルー経済情勢 2011

ペルーの経済情勢(2011年2月)

 

1 総論
 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率10.02%(1月:前年同月比),インフレ率0.38%(2月:前月比),対米ドル為替相場2.770ソル(2月平均値),リマ首都圏の完全失業率9.4%(1月),財政収支2,432百万ソル(1月),貿易収支215百万ドルの黒字(1月)となった。引き続き高い経済成長率を記録している。

 

2 各論
(1)主要経済指標
 ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。


ア 経済成長率
 最新の経済成長率(GDP成長率)は,10.02%(1月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,4.70%,漁業セクターの成長率は,26.52%,鉱業セクターの成長率は,−6.80%,製造業の成長率は,14.39%,建設業の成長率は,16.21%となった。(2月分は未公表)
GDP成長率

イ インフレ率
 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.38%となった。リマ首都圏では,ニンジン(27.9%),タマゴ(6.0%),鶏肉(5.7%)等の価格が上昇した。一方,レモン(−13.0%),モモ(−12.9%),鰹(−12.5%)等の価格が下落した。
 最近12ヶ月(10年3月〜11年2月)の上昇率は,2.23%。
インフレ率

ウ 為替相場
 対米ドル為替相場の平均は2.770ソルとなり,前月に比べ0.017ソル高ドル安となった。
為替の推移

エ 失業率
 1月のリマ首都圏の完全失業率は9.4%前月比同であった。前月に比べ,2.8%増加した。(2月分は未公表)
失業率

オ 財政収支
 1月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で15.0%増となった。歳出は,対前年同月比で7.6%増となった。全体では,プライマリーバランスは,3ヶ月ぶりの黒字となった。債務の利払いを含めると,2,432百万ソルの黒字となった。(2月分は未公表)
財政収支

カ 貿易収支
 1月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比15.6%,非伝統産品が対前年同月比38.4%増加し,全体では2,931百万米ドル(対前年同月比20.2%)となった。
 輸入額は,対前年同月比で消費財が32.0%,中間財が33.0%,資本財が30.3%に増加し,全体で2,715百万米ドル(対前年同月比30.9%)となった。この結果,貿易収支は,215百万米ドルの黒字となった。(2月分は未公表)
貿易収支

キ 外貨準備高
 外貨準備高は,46,268百万米ドルで,順調に推移している。
外貨準備高
(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。

(2)最近の主な出来事(発表記事等)
・付加価値税税率,18%に引き下げ
 政府政令に基づき3月1日から付加価値税税率が18%に引き下げられた。これに先立ち税務監督庁のヒルシュ長官は,今年の税収目標額を680億ソルと前年より40億ソル高く設定した。所得税では280億ソルと同20億ソルの増加を見込むと述べた。(3月1日)

・三菱東京UFJ銀行 ペルーに拠点を開設
 三菱東京UFJ銀行は,2月25日にリマ駐在員事務所を開設。1982年に東京銀行がペルーに進出して以来,20年以上経過し,名称を三菱東京UFJ銀行に変えて再進出した。2月3日にはペルー金融保険監督庁(SBS)よりペルーにおける業務認可が出されていた。ペルーの金融業は,昨年の利益率が24%と好況を呈しており,近年,大手外資系銀行の進出が相次いでいる。同行は,日本から初のペルー進出銀行で,他にもコロンビア銀行などが当地進出を予定している。(3月2日)

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