ペルー経済情勢 2011 ペルーの経済情勢(2011年4月)
1.総論 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率7.87%(3月:前年同月比),インフレ率0.68%(4月:前月比),対米ドル為替相場2.816ソル(4月平均値),リマ首都圏の完全失業率7.5%(3月),財政収支1,128百万ソル(3月),貿易収支806百万ドルの黒字(3月)となった。引き続き高い経済成長率を記録している。
2.各論 (1)主要経済指標 ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。 ア 経済成長率 最新の経済成長率(GDP成長率)は,7.87%(3月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,-0.71%,漁業セクターの成長率は,4.61%,鉱業セクターの成長率は,-0.86%,製造業の成長率は,10.30%,建設業の成長率は,3.60%となった。(4月分は未公表)
イ インフレ率 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.68%となった。リマ首都圏では,鰹(36.7%),タマネギ(35.3%),タマゴ(11.1%)等の価格が上昇した。一方,みかん(-27.3%),ブロッコリー(-14.1%),パパイヤ(-9.7%)等の価格が下落した。 最近12ヶ月(10年5月~11年4月)の上昇率は,3.34%。
ウ 為替相場 対米ドル為替相場の平均は2.816ソルとなり,前月に比べ0.036ソル安ドル高となった。
エ 失業率 3月のリマ首都圏の完全失業率は7.5%前月比同であった。前月に比べ,3.6%減少した。(4月分は未公表)
オ 財政収支 3月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で15.9%増となった。歳出は,対前年同月比で20.2%増となった。全体では,プライマリーバランスは,3ヶ月連続の黒字となった。債務の利払いを含めると,1,128百万ソルの黒字となった。(4月分は未公表)
カ 貿易収支 3月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比29.1%,非伝統産品が対前年同月比37.0%増加し,全体では3,699百万米ドル(対前年同月比30.7%)となった。 輸入額は,対前年同月比で消費財が24.2%,中間財が19.6%,資本財が23.2%に増加し,全体で2,893百万米ドル(対前年同月比21.2%)となった。この結果,貿易収支は,806百万米ドルの黒字となった。(4月分は未公表)
キ 外貨準備高 外貨準備高は,46,513百万米ドルで,順調に推移している。 (注)表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事(発表記事等) ・2011年第1四半期の新車自動車販売台数 ペルー自動車代理店協会の発表によると,2011年第1四半期(1~3月)の新車自動車販売台数は,同期間中,堅調な販売傾向が維持され,32,833台(対前年比31%増)となった。なお,3月の同販売台数は12,444台となった。(4月18日) ・2011年ペルー経済成長率予測 世銀は,ペルーの今年のGDP経済成長率は,約6.9%の見込みで,4~5%成長すると見込まれる中南米・カリブ諸国全体の平均を上回り,7.6%の成長が見込まれるハイチに次ぎ,パナマと同程度の成長となる見込みであると報告した。(4月18日) ・1~2月の鉱業投資 エネルギー鉱山省は,1~2月の鉱業投資が6億4千万ドル,対前年比41%増を記録したと発表。同省投資促進局長は,大統領選挙期間中であり,鉱業がテーマの1つになっているが,鉱山の投資計画は長期であり,選挙の情勢による影響はなく,今後10年で新鉱山の投資を含め420億ドルの投資計画が予定されている旨述べた。(4月19日) ・ペルー・パナマ,ペルー・コスタリカFTA交渉妥結 5月2~6日にリマでペルーと中米諸国のFTA締結に係る第4回交渉会合が開催され,ペルー・パナマ,ペルー・コスタリカについては交渉が妥結したとフェレイロス通商観光大臣は述べた。なお,グアテマラ,エルサルバドル,ホンジュラスについては,今次会合には不参加・部分的参加等の事情により交渉は未終結の状況。(4月7日) ・ペルー・EU・FTA署名 13日,ブリュッセルにおいて,デ・グフト欧州委員会貿易担当委員(EU),ポサダ通商副大臣(ペルー),ディアス・グラナドス商工観光大臣(コロンビア)によりペルー・EU・FTA及びコロンビア・EU・FTAへの署名が行われた。今後,23の言語に訳され,EU各メンバー国の議会及び欧州議会による承認が行われる。ポサダ通商副大臣は本協定により,工業製品,水産品に係る関税の撤廃,農産品市場へのアクセス拡大,政府調達,サービス,投資市場へのアクセス改善,知的財産権に係る共通規範の確立等が得られると述べた。(4月14日)
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