ペルー経済情勢 2011
ペルーの経済情勢(2012年1月)
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率5.96%(12月:前年同月比),インフレ率−0.10%(1月:前月比),対米ドル為替相場2.693ソル(1月平均値),リマ首都圏の完全失業率7.9%(12月),財政収支−4,643百万ソル(12月),貿易収支1、151百万ドルの黒字(12月)となった。2011年の成長率は,低下傾向にあった経済成長率が12月に反転,結果,6.92%(速報値)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,5.96%(12月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,−1.28%,漁業セクターの成長率は,74.47%,鉱業セクターの成長率は,4.43%,製造業の成長率は,3.69%,建設業の成長率は,3.80%となった。(1月分は未公表)

イ インフレ率
インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,−0.10%となった。リマ首都圏では,パパイヤ(18.8%),みかん(14.0%),オレンジジュース(14.0%)等の価格が上昇した。一方,レモン(−10.5%),タマゴ(−4.5%),鶏肉(−2.2%)等の価格が下落した。
最近12ヶ月(客年2月〜本年1月)の上昇率は,4.23%。

ウ 為替相場
1月の対米ドル為替相場の平均は2.693ソルとなり,ソル高ドル安の傾向が続いている。

エ 失業率
12月のリマ首都圏の完全失業率は7.9%であり,3ヶ月ぶりに悪化した。(1月分は未公表)

オ 財政収支
12月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で17.8%増となった。歳出は,対前年同月比で24.5%増となった。全体では,プライマリーバランスは,5ヶ月ぶりの赤字となった。債務の利払いを含めて,4,643百万ソルの赤字となった。(1月分は未公表)

カ 貿易収支
12月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比16.2%,非伝統産品が対前年同月比25.4%増加し,全体では4,385百万米ドル(対前年同月比18.1%増)となった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が21.3%,中間財が29.9%,資本財が9.1%増加し,全体で3,234百万米ドル(対前年同月比20.4%増)となった。この結果,貿易収支は,1,151百万米ドルの黒字となった。(1月分は未公表)

キ 外貨準備高
1月の外貨準備高は,50,830百万米ドルとなり,500億ドルを上回った。

(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事(発表記事等)
・ペルー新車自動車販売台数
ペルー自動車代理店協会(APAPER)の発表によると,1月のペルー新車自動車販売台数は,大幅に拡大し,対前年比41%増の13,454台となった。なお,本年の販売台数は,客年の約15万台を上回り,16万台以上が見込まれる。(1月10日)
・政策金利,据え置き
中央銀行は,金融政策理事会を開催し,1月の政策金利を年4.25%で据え置くと発表。政策金利は,客年1月から5月に毎月0.25%引き上げ,6月以降は8ヶ月連続据え置いている。(1月13日)
・ペルー・メキシコFTA発効
客年4月に署名されたペルー・メキシコFTAが発効した。シルバ通商観光相は,現行の経済補完協定を大幅に進化拡大した新協定の下では,特恵関税によりペルーから同国へ輸出可能な産品が439品目から約12,000品目へと大幅に増加したほか,原産地規則,SPS,TBT,投資,サービス,金融サービス,一時的滞在等に関するルールが策定される等,関係者にとっては大きな安定感が得られる旨述べた。(2月1日)
・ペルー版「一村一品運動」開始式典
日本の支援で取り組みが始まった一村一品事業のペルー版である,「我が町の一品」の開始式典がリマ州カヤワンカ町で行われた。式典には,ウマラ大統領,シルバ通商観光相,ビジェナ労働・雇用促進相,福川日本国大使,地元自治体関係者が出席した。ウマラ大統領は,「我が町の一品」を推進することで新たな産品が加わり,現在年間約460億米ドルの輸出額を更に増加することができ,チリモヤのような非伝統産品を,日本のような国際市場へ輸出できる可能性がある旨述べた。(2月2日)
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