ペルー経済情勢 2011

ペルーの経済情勢(2012年3月)

 

1 総論
 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率7.18%(2月:前年同月比),インフレ率0.77%(3月:前月比),対米ドル為替相場2.671ソル(3月平均値),リマ首都圏の完全失業率7.8%(2月),財政収支−244百万ソル(2月),貿易収支874百万ドルの黒字(2月)となった。

 

2 各論
(1)主要経済指標
 ペルー中央準備銀行報告及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。


ア 経済成長率
 最新の経済成長率(GDP成長率)は,7.18%(2月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,3.20%,漁業セクターの成長率は,−1.08%,鉱業セクターの成長率は,1.97%,製造業の成長率は,1.29%,建設業の成長率は,14.03%となった。(3月分は未公表)

GDP成長率

イ インフレ率
 インフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.77%となった。リマ首都圏では,タマゴ(10.2%),鶏肉(8.8%),ガソリン(3.7%)等の価格が上昇した。一方,パパイヤ(−18.6%),みかん(−10.4%),トマト(−9.9%)等の価格が下落した。
 最近12ヶ月(客年4月〜本年3月)の上昇率は,4.23%。

インフレ率

ウ 為替相場
 3月の対米ドル為替相場の平均は2.671ソルとなり,ソル高ドル安の傾向が続いている。

為替の推移

エ 失業率
 2月のリマ首都圏の完全失業率は7.8%であり,3ヶ月振りに改善した。(3月分は未公表)

失業率推移

オ 財政収支
 2月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で5.8%増となった。歳出は,対前年同月比で19.6%増となった。全体では,プライマリーバランスは,2ヶ月連続の黒字となった。債務の利払いを含めて,−244百万ソルの赤字となった。(3月分は未公表)

財政収支

カ 貿易収支
 2月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比11.3%,非伝統産品が対前年同月比8.4%増加し,全体では3,727百万米ドル(対前年同月比10.7%増)となった。
 輸入額は,対前年同月比で消費財が39.1%,中間財が10.1%,資本財が1.2%増加し,全体で2,854百万米ドル(対前年同月比10.5%増)となった。この結果,貿易収支は,874百万米ドルの黒字となった。(3月分は未公表)

貿易収支

キ 外貨準備高
 3月の外貨準備高は,55,789百万米ドルで,増加傾向が続いている。

外貨準備高
(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。

(2)最近の主な出来事(発表記事等)
・ 好調な自動車販売数
 ペルー自動車代理店協会(APAPER)の発表によると,本年第一四半期に当地で販売された新車台数は,対前年同期比35%増の44,345台を記録した。メーカー別では,トヨタが全体シェアの16%,7,209台となり,現代,起亜,日産,シボレーの順となった。(4月12日)
・ 原油価格高騰の影響
 カスティーヤ経済財政相は,原油価格がバレル当たり,105米ドルから10%上昇し,115米ドルに達した場合,政府は,燃料価格安定基金に対し,20億ソル(約600億円)を超える額を投入する用意がある。その際,ペルーの本年の経済成長率は,5.7%から5.4%に低下し,インフレ率は,0.3%上昇する可能性がある旨述べた。(4月11日)
・エネルギー鉱山省とJOGMEC協力合意書署名
 エネルギー鉱山省と独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は,鉱山環境負荷対策調査,適切な対策及び管理手法構築に向けた支援の継続に係る協力合意書に署名した。(2月23日)
・ 科学技術省の創設
 サラス教育相は,国会の科学技術委員会において,科学技術省の創設に係る閣議決定が,30日以内に行われる予定である旨発表した。同大臣によれば,政府は毎年45億ソルを投資し,2016年までに科学技術の研究調査に係る体制の再構築を図る由であり,また本年については少なくとも12億ソルを投じる計画とのこと。(4月10日)
・ ウマラ大統領,カミセアガス第88鉱区の国内専有化発表
 クスコ州で行われた記念式典において,ウマラ大統領は,カミセア・ガス田第88鉱区の天然ガスは,独占的に国内市場に割り当てられる。本件は,ペルー南部に石油化学プラントを建設するという夢を現実にするものであり,原油国際市況に左右されない製品としての戦略的優位性を持つものである旨述べた。(4月4日)
・インフラ整備計画の発表
 政府は,2012〜13年期におけるインフラ整備計画を発表した。カスティーヤ大臣及びフォンヘッセ民間投資促進庁長官によれば,右計画は合計26案件,総額103億5170万米ドルであり,分野別では,道路整備,鉄道,炭化水素資源,電気通信,エネルギー,農業,空港,港湾,下水道,観光他となっている。(3月21日)

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