ペルー経済情勢 2012年

ペルーの経済情勢(2012年7月)

 

1 総論
 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率7.07%(6月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率0.09%(7月:前月比),対米ドル為替相場2.635ソル(7月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.2%(6月),財政収支846百万ソルの黒字(6月),貿易収支405百万米ドルの黒字(6月)となった。対前年同月比GDP成長率は2カ月連続で上昇した。

 

2 各論
(1)主要経済指標

 ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。

ア 経済成長率
 最新の経済成長率(GDP成長率)は,7.07%(6月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,8.10%,漁業セクターの成長率は,17.91%,鉱業セクターの成長率は,4.76%,製造業の成長率は,1.31%,建設業の成長率は,20.56%,商業の成長率は6.69%となった。(7月分は未公表)

GDP成長率

イ インフレ率
 リマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.09%となり,最近12ヶ月(客年8月〜本年7月)の上昇率は,3.28%。

インフレ率

ウ 為替相場
 7月の対米ドル為替相場の平均は2.635ソルで,ソル高ドル安が進行した。

為替相場

エ 失業率
 7月のリマ首都圏の完全失業率は7.1%であった。

失業率

オ 財政収支
 6月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で9.7%増となった。歳出は,対前年同月比で37.5%減となった。全体では,プライマリーバランスは,964百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めても,846百万ソルの黒字となった。(7月分は未公表)

財政収支

カ 貿易収支
 6月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比20.7%減,非伝統産品が同13.4%増となり,全体では3,612百万米ドル(対前年同月比14.2%減)となった。
 輸入額は,対前年同月比で消費財が22.4%増,中間財が10.1%減,資本財が0.8%増となり,全体で3,207百万米ドル(対前年同月比1.0%減)となった。この結果,貿易収支は,405百万米ドルの黒字となった。(7月分は未公表)

貿易収支

キ 外貨準備高
 7月末の外貨準備高は,57,980百万米ドルへ増大した。

外貨準備高

ク 対外累積債務
 2012年第一四半期の対外債務累計総額は,51,987百万米ドルで,増加傾向が続いている。債務内容は,大部分が中長期債務で,短期債務は3期ぶりに増加した。(第二四半期は未公表)

対外累積債務

ケ 自動車販売台数
 7月の新車自動車販売台数(自動車代理店協会発表)は,対前年同月比39.7%増の16,301台と好調を持続。なお,本年1月−7月の同販売台数は,対前年同期比35.4%増の107,773台となった。

自動車販売台数
(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。

(2)最近の主な出来事(発表記事等)
・ウォールストリートジャーナル紙(WSJ)による評価
 WSJが,ペルー及びコロンビアを,ラテンアメリカ地域における新たな「虎」と評価。両国の経済が,急速・継続的な発展のダイナミズム,安定した通貨,インフレの堅実なコントロール,信用格付けの向上,政府による良好な政策,若い人口,中産階級の成長,比較的低い対外債務等の要素を有していることが理由。他方,ペルーについては,一次産品に依存する割合が引き続き高く,エネルギー,鉱物資源の価格が大きく低下すれば容易に影響を受けるであろうと指摘。(7月27日付)

・ムーディーズ社による,ペルーのドル建て公債長期格付けの引上げ
 ムーディーズ社が,ペルーのドル建て公債長期格付けを「Baa3」から「Baa2」へ引上げた旨発表。「Baa2」はブラジルと同格であり,中南米諸国でこれを上回る評価を獲得しているのはチリとメキシコのみ。ウマラ政権が自由開放的な経済政策を維持する方向性は明らかであるとし,政治リスクの少なさを指摘しつつ,同政権の経済・財政政策の堅調さ,経済チームの構成,経済成長率の高さ等を評価。(8月16日)

 

 

 

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