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ペルー経済情勢 2012年
ペルーの経済情勢(2012年9月)
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率6.33%(8月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率0.54%(9月:前月比),対米ドル為替相場2.603ソル(9月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.7%(8月),財政収支347百万ソルの赤字(8月),貿易収支52百万米ドルの赤字(8月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,6.33%(8月:前年同月比)であった。農畜産セクターの成長率は,4.04%,漁業セクターの成長率は,−13.67%,鉱業・炭化水素セクターの成長率は,0.56%,製造業の成長率は,4.11%,建設セクターの成長率は,17.57%,商セクターの成長率は6.48%,運輸・通信セクターの成長率は5.74%となった。(9月分は未公表)
イ インフレ率
リマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.54%となり,最近12ヶ月(客年10月〜本年9月)の上昇率は,3.74%。
ウ 為替相場
9月の対米ドル為替相場の平均は2.603ソルで,ソル高ドル安が進行した。

エ 失業率
8月のリマ首都圏の完全失業率は6.7%であった。(9月分は未公表)

オ 財政収支
8月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で5.6%増となった。歳出は,対前年同月比で23.9%増となった。全体では,プライマリーバランスは,708百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると,347百万ソルの赤字となった。(9月分は未公表)

カ 貿易収支
8月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比25.1%減,非伝統産品が1.9%増となり,全体では3,728百万米ドル(対前年同月比19.7%減)となった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が15.1%増,中間財が2.3%増,資本財が19.0%増となり,全体で3,780百万米ドル(対前年同月比9.3%増)となった。この結果,貿易収支は,52百万米ドルの赤字となった。(9月分は未公表)

キ 外貨準備高
9月の外貨準備高は,61,161百万米ドルへ増加した。

ク 対外累積債務
2012年第二四半期の対外債務累計総額は,53,715百万米ドルで,増加傾向が続いている。

ケ 自動車販売台数
9月の新車自動車販売台数(自動車代理店協会発表)は,対前年同月比10.9%増の15,688台と好調を持続。なお,本年1月−9月の同販売台数は,対前年同期比30%増の139,387台となった。
(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事(発表記事等)
・カスティーヤ経済財政相がペルーの経済成長率の見通しについて発言
カスティーヤ経済財政相は,IMFが先般発表した,2013年のペルーの経済成長率を6%とする予測に関し,右は中国経済のダイナミズムが維持され,その成長率が7%を上回ることが条件になろうと述べた。同大臣によれば,中国はペルーにとって最大の貿易相手国であり,その経済動向は,鉱物資源等の一次産品の国際価格を左右するところが大きいため,ペルーとしても影響を受ける部分が少なくない。(10月11日付)
・中南米最優秀経済大臣にカスティーヤ経済財政相選出
「Emerging Markets」誌は,カスティーヤ経済財政相の世界的経済不況の現状を踏まえた慎重・堅実な経済財政政策を評価し,2012年の中南米最優秀経済大臣に同大臣を選出した。同大臣は,受賞時に,効果的な公共投資によりインフラ格差を是正するための予算執行能力向上及び公共部門における能力・職責に見合った報酬体系の確保が今後の重要課題として考えられると述べた。(10月16日付)
・1〜9月のセメント出荷が16.6%増加
セメント協会(ASOCEM)は,本年1〜9月の国内市場向けセメント出荷量が前年同期比16.6%増の96万951トンであったと発表した。アナリストの説明によれば,出荷が増えたのは,公共投資の増加やショッピングセンター建設等により需要が伸びているため。輸出向け出荷量も同202.4%増え11万6,440トンであった。(10月16日付)
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