ペルー経済情勢 2012年

ペルーの経済情勢(2012年10月)

 

1 総論
 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率5.94%(9月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率−0.16%(10月:前月比),対米ドル為替相場2.588ソル(10月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.0%(9月),財政収支954百万ソルの黒字(9月),貿易収支403百万米ドルの黒字(9月)となった。

2 各論
(1)主要経済指標

 ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。

ア 経済成長率
 最新の経済成長率(GDP成長率)は,5.94%(9月:前年同月比)であった。(10月分は未公表)


GDP成長率
分野別GDP成長率

イ インフレ率
 リマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,−0.16%となり,最近12ヶ月(客年11月〜本年10月)の上昇率は,3.25%。

インフレ率

ウ 為替相場
 10月の対米ドル為替相場の平均は2.588ソルで,ソル高ドル安が進行した。

為替相場

エ 失業率
 9月のリマ首都圏の完全失業率は6.0%であった。(10月分は未公表)

失業率

オ 財政収支
 9月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で9.4%増となった。歳出は,対前年同月比で9.5%増となった。全体では,プライマリーバランスは,1,244百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると,954百万ソルの黒字となった。(10月分は未公表)

財政収支

カ 貿易収支
 9月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比1.4%減,非伝統産品が5.9%減となり,全体では3,893百万米ドル(対前年同月比2.3%減)となった。
 輸入額は,対前年同月比で消費財が6.8%増,中間財が14.8%増,資本財が6.0%増となり,全体で3,490百万米ドル(対前年同月比9.3%増)となった。この結果,貿易収支は,403百万米ドルの黒字となった。(10月分は未公表)

貿易収支

キ 外貨準備高
 10月の外貨準備高は,61,904百万米ドルへ増加した。

外貨準備高

ク 対外累積債務
 2012年第二四半期の対外債務累計総額は,53,715百万米ドルで,増加傾向が続いている。

対外累積債務

ケ 自動車販売台数
 10月の新車自動車販売台数(自動車代理店協会発表)は,対前年同月比13.7%増の16,180台と好調を持続。なお,本年1月−10月の同販売台数は,対前年同期比28.7%増の155,567台となった。

自動車販売台数
(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。

(2)最近の主な出来事(発表記事等)
・カントリーリスク及びビジネス環境の評価
 JPモルガンが新興国のソブリン債を対象に算出しているカントリーリスク指標「EMBI(Emerging Market Bond Index)グローバル」において,ペルーは中南米諸国中最もリスクの低い国との評価を得た。(ペルーは91ポイント。中南米諸国の平均は346ポイントであり,コロンビア96ポイント,チリ117,ブラジル133,メキシコ139など。)
 また,世銀・IFC(International Financial Cooperation)が185ヶ国を対象に行っているビジネス環境評価「Doing Business」2013年版において,ペルーは総合評価で,世界第43位となり,2年連続(2011年版で第39位,12年版では第41位)で順位をわずかながら落としたものの,2005年以降大きく環境が改善した50ヶ国の一つと評価された。中南米地域ではチリに次ぐ第2位を維持。(10月23日付)

・ペルー中銀,預金準備率を引き上げ
 ペルー中央準備銀行は,信用膨張緩和のため,11月1日より,ソル建及びドル建の預金準備率を0.75ポイント引き上げた。預金準備率の引き上げは,今年5月,9月と10月にそれぞれ0.50ポイント引き上げたのに続き,今年で4度目となる。(11月1日付)




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