ペルー経済情勢 2012年
ペルーの経済情勢(2012年11月)
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率6.71%(10月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率−0.14%(11月:前月比),対米ドル為替相場2.599ソル(11月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.0%(10月),財政収支113百万ソルの赤字(10月),貿易収支35百万米ドルの黒字(10月)となった。
2 各論 (1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,6.71%(10月:前年同月比)であった。(11月分は未公表)
イ インフレ率
リマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,−0.14%となり,最近12ヶ月(客年12月〜本年11月)の上昇率は,2.66%。

ウ 為替相場
11月の対米ドル為替相場の平均は2.599ソルであった。

エ 失業率
10月のリマ首都圏の完全失業率は6.0%であった。(11月分は未公表)

オ 財政収支
10月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で8.5%増となった。歳出は,対前年同月比で25.4%増となった。全体では,プライマリーバランスは,275百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると,113百万ソルの赤字となった。(11月分は未公表)

カ 貿易収支
10月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比2.7%減,非伝統産品が7.8%増となり,全体では3,823百万米ドル(対前年同月比0.1%減)となった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が28.4%増,中間財が19.1%増,資本財が15.5%増となり,全体で3,788百万米ドル(対前年同月比20.6%増)となった。この結果,貿易収支は,35百万米ドルの黒字となった。(11月分は未公表)

キ 外貨準備高
11月末の外貨準備高は,63,216百万米ドルへ増加した。

ク 対外累積債務
2012年第3四半期の対外債務累計総額は,56,961百万米ドルで,増加傾向が続いている。

ケ 自動車販売台数
11月の新車自動車販売台数(自動車代理店協会発表)は,対前年同月比29.6%増の18,558台と好調を持続。新車販売台数月間新記録を達成した。なお,本年1月−11月の同販売台数は,対前年同期比28.0%増の174,125台となった。

(注)表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事(発表記事等)
・貧困率の減少
今般,国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)が発表した中南米諸国の貧困状況に係る報告によると,ペルーは2011年に31.3%から27.8%と3.5ポイントの貧困率削減を達成し,パラグアイ,エクアドルに次いで達成率の高い国に位置付けられた。(11月28日付)
・政策金利4.25%に据え置き
ペルー中央準備銀行は,この数カ月のインフレ率が減少し,中銀のインフレターゲット(1〜3%)に収まる見込みであることを受け,主要政策金利を4.25%で据え置いた。同銀理事会は,インフレ率を注視しており,その調整のための通貨政策の手段として政策金利に注意を払っている旨述べた。(12月6日付)
・カスティーヤ経済財政相による本年の成長率予測
カスティーヤ経済財政相は,今年のペルーの経済成長率について,当初の政府の予想を上回る6.3%に達し,南米で最も高い経済成長率を記録する見込みとの見解を示すとともに,経済成長の約90%が内外民間投資による点,及び低いインフレ率を保っている点を強調した。また,政府による経済開放政策,競争力強化政策が順調に進んでおり,加えてイノベーション政策も開始していると述べた。(12月12日付)
・欧州連合とのFTA承認
ペルー国会は全会一致でEUとのFTAを承認した。これにより同協定(経済部分)は明年2月1日付で発効することとなった。フォンヘッセ農業相は,発効後5年間で(2011年に約20億ドルであった)当国の対EU輸出額は25億ドル程度まで増加する見込みである旨述べた。(12月13日)
・ペルー南部ガス・パイプライン等の計画法案可決
ペルー国会は,政府が提出した「ペルー南部ガス・パイプライン」及び関連施設等の建設計画に係る法案を承認し,同時に右計画を「国家重点関心事項」に指定した。この承認により,エネルギー鉱山省及び投資促進庁が中心となって,今後3年以内のパイプライン完成に向けた関連作業が開始される予定である。(12月13日)
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