ペルー経済情勢 2012年

ペルーの経済情勢(2012年12月)


1 総論
 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率6.83%(11月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率0.26%(12月:前月比),対米ドル為替相場2.567ソル(12月平均値),リマ首都圏の完全失業率5.7%(11月),財政収支315百万ソルの黒字(11月),貿易収支147百万米ドルの黒字(11月)となった。

2 各論
(1)主要経済指標

 ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。

ア 経済成長率
 最新の経済成長率(GDP成長率)は,6.83%(11月:前年同月比)であった。(12月分は未公表)

GDP成長率
分野別GDP成長率



イ インフレ率
 リマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.26%となり,最近12ヶ月(客年1月〜12月)の上昇率は,2.65%。
インフレ率

ウ 為替相場
 12月の対米ドル為替相場の平均は2.567ソルであった。
為替相場

エ 失業率
 11月のリマ首都圏の完全失業率は5.7%であった。(12月分は未公表)
失業率

オ 財政収支
 11月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で7.8%増となった。歳出は,対前年同月比で10.0%増となった。全体では,プライマリーバランスは,787百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると,315百万ソルの黒字となった。(12月分は未公表)
財政収支

カ 貿易収支
 11月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比17.0%増,非伝統産品が4.1%増となり,全体では3,741百万米ドル(対前年同月比13.4%増)となった。
 輸入額は,対前年同月比で消費財が24.0%増,中間財が10.4%増,資本財が14.7%増となり,全体で3,595百万米ドル(対前年同月比14.8%増)となった。この結果,貿易収支は,147百万米ドルの黒字となった。(12月分は未公表)
貿易収支

キ 外貨準備高
 12月末の外貨準備高は,63,991百万米ドルへ増加した。
外貨準備高

ク 対外累積債務
 2012年第3四半期の対外債務累計総額は,56,961百万米ドルで,増加傾向が続いている。
対外累積債務

(2)最近の主な出来事(発表記事等)
・エネルギー鉱山相による2013年鉱業投資額目標
 メリノ・エネルギー鉱山相は,客年反鉱山運動により麻痺した鉱山が2013年中には操業開始に向けた準備が整う見込みであり,政府としても前向きに対応し,ペルー鉱業に大きな進展がある年になる。また,新規鉱山開発も具体化に向けて動き出すであろう。政府として,2013年の鉱業分野における投資総額は,2012年の予想値70億ドルに対し,100億ドルを目標としている旨述べた。(客年12月21日)

・自動車販売過去最高
 ペルー自動車代理店協会(APAPER)の発表によると,2012年の新車自動車(乗用車部門等)販売台数は,対前年比23%増の178,373台と過去最高を記録した。本年も昨年と同じく20%から23%の販売増が続いた場合,ペルーの同自動車市場は23万台規模に達する。(1月8日)

・JICAと円借款に係る契約に署名
 ペルー訪問中の田中JICA理事長は,カスティーヤ経済財政相とともに,ウマラ大統領,本使出席の下,対ペルー円借款「リマ首都圏北部上下水道最適化事業」及び「アマソナス州地域開発事業」の2件に係るL/A署名式を大統領府で行った。日本政府は,ペルー政府の社会的包摂促進政策に出来る限り協力するとし,ウマラ政権下で,既に6件,総額3.34億米ドルに上る円借款の供与を決定したほか,客年7月にはウマラ大統領出席の下,無償資金協力による「日秘友好・国立リバビリテーション・センター」の供与を行っている。(1月9日)

・政策金利4.25%据え置き
 中央銀行は,世界的な経済情勢に反し,国内の経済成長が堅調に推移していること,インフレ率が食品分野を中心に安定(インフレターゲット内)状態が継続していることから政策金利を現行の4.25%で据え置くことを決定した。(1月10日)

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