ペルー経済情勢 2013年

ペルーの経済情勢(2013年1月)


1 総論
 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率4.31%(12月:前年同月比,2012年は6,29%),リマ首都圏のインフレ率0.12%(1月:前月比),対米ドル為替相場2.552ソル(1月平均値),リマ首都圏の完全失業率5.2%(12月),財政収支4,932百万ソルの赤字(12月),貿易収支628百万米ドルの黒字(12月)となった。

2 各論
(1)主要経済指標

 ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。

ア 経済成長率
 最新の経済成長率(GDP成長率)は,4.31%(12月:前年同月比)であった(1月分は未公表)。2012年の年間経済成長率は,前年比6.29%であり,2年連続で減少したものの,南米で最も高い成長率を記録。

GDP成長率
 分野別GDP成長率

 



イ インフレ率
 リマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.12%となり,最近12ヶ月(客年2月〜本年1月)の上昇率は,2.87%。
インフレ率

ウ 為替相場
 1月の対米ドル為替相場の平均は2.552ソルであった。
為替相場

エ 失業率
 12月のリマ首都圏の完全失業率は5.2%であった。(1月分は未公表)
失業率

オ 財政収支
 12月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で18.3%増となった。歳出は,対前年同月比で19.0%増となった。全体では,プライマリーバランスは,4,786百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,4,932百万ソルの赤字となった。(1月分は未公表)
財政収支

カ 貿易収支
 12月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比17.8%減,非伝統産品が3.4%減となり,全体では3,757百万米ドル(対前年同月比14.3%減)となった。
 輸入額は,対前年同月比で消費財が13.1%増,中間財が16.8%減,資本財が11.0%増となり,全体で3,129百万米ドル(対前年同月比3.2%減)となった。この結果,貿易収支は,628百万米ドルの黒字となった。(1月分は未公表)
貿易収支

キ 外貨準備高
 1月末の外貨準備高は,67,016百万米ドルへ増加した。
外貨準備高

ク 対外累積債務
 2012年第4四半期末の対外債務累計総額は,58,510百万米ドルで,増加傾向が続いている。
対外累積債務

(2)最近の主な出来事(発表記事等)
・世界経済フォーラム(ヒメネス首相他のダボス会議出席,中南米会合)
 ヒメネス首相はダボス会議に出席し,ペルー政府の経済社会政策(開発社会包摂省の創設,各種社会プログラムの実施,社会紛争の解決に向けた努力,域内初の電子マネーの導入に係る取り組み等)につき説明するとともに,鉱業・エネルギー分野を中心としたペルー投資へのメリットを訴えた。また,4月23〜25日には,リマで世界経済フォーラム中南米会合が開催される予定である。同会合では社会的包摂が主要議題とされ,併せ,技術革新と競争力の向上,持続可能な発展,災害リスク・マネジメント,治安,汚職対策等につき話し合われる見通しである。(1月22日)

・非伝統産品輸出史上最高を記録
 COMEX(ペルー貿易協会)は,2012年のペルー輸出総額が,対前年比2.1%減の454億7百万ドルとなったと発表した。減少の要因としては,鉱物等の伝統産品の輸出額の減少(5.1%減)があげられる。他方,同非伝統産品の輸出額は,対前年比9%増の11億8千7百万ドルとなり,史上最高となった。フェレイロス同事務局長(前通商観光相)は,非伝統産品の輸出拡大は,ペルーが締結したFTAによる競争力向上によるところが大きく,特に,米国や中国といった重要市場において効果を発揮している点を指摘,米国の経済指標が好転していることから,2013年の輸出総額は500億ドルに達すると予測した。(2月18日)

・EU他とのFTA発効見通し
 ポサダ通商副大臣は,通商協定(FTA,EPA等)はペルーに大きな効果をもたらす(例えば,ペルーと米国のFTA効果により,発効後4年間で両国間貿易は105%増加)旨指摘するとともに,既に署名済の,EU(3月1日発効予定),ベネズエラ,コスタリカ,グアテマラとの間のFTAが,本年内に発効する見込みであると述べた。(2月18日)

法的事項 | アクセシビリティについて | プライバシーポリシー |