ペルー経済情勢 2013年
ペルーの経済情勢(2013年2月)
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率6.15%(1月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率−0.09%(2月:前月比),対米ドル為替相場2.578ソル(2月平均値),リマ首都圏の完全失業率7.5%(1月),財政収支3,882百万ソルの黒字(1月),貿易収支484百万米ドルの赤字(1月)となった。
2 各論 (1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,6.15%(1月:前年同月比)であった(2月分は未公表)。


イ インフレ率
リマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,−0.09%となり,最近12ヶ月(客年3月〜本年2月)の上昇率は,2.45%。

ウ 為替相場
2月の対米ドル為替相場の平均は2.578ソルであった。

エ 失業率
1月のリマ首都圏の完全失業率は7.5%であった。(2月分は未公表)

オ 財政収支
1月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で1.9%増となった。歳出は,対前年同月比で12.1%増となった。全体では,プライマリーバランスは,4,214百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると,3,882百万ソルの黒字となった。(2月分は未公表)

カ 貿易収支
1月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比22.3%減,非伝統産品が4.3%減となり,全体では3,264百万米ドル(対前年同月比18.2%減)となった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が12.0%増,中間財が9.8%増,資本財が22.9%増となり,全体で3,748百万米ドル(対前年同月比13.4%増)となった。この結果,貿易収支は,484百万米ドルの赤字となった。(2月分は未公表)

キ 外貨準備高
2月末の外貨準備高は,67,629百万米ドルへ増加した。

ク 対外累積債務
2012年第4四半期末の対外債務累計総額は,58,510百万米ドルで,増加傾向が続いている。

(2)最近の主な出来事(発表記事等)
・ペルー・EU・FTAの発効
3月1日,ペルーとEUのFTAが発効した。シルバ通商観光相は,これによりペルー産品の90%超がEU市場への参入に際し関税自由化の恩恵を受け(農産品については99%超,工業品は100%),かかる輸出拡大によりペルーのGDPは0.2%程度上昇しようとの見通しを示すとともに,当地産品の対欧輸出を手掛ける企業の9割強は中小・零細企業である旨指摘。また,オールデン当地EU大使は,ペルー・EU間の貿易は数年内に倍加するであろうと述べた。(3月1日)
・ペルーにおける中間層の拡大,及び同層の購買力の向上
当地経済コンサルタントによると,2012年におけるペルーの中間層は(月額収入2,500〜3,500ソル(1米ドル≒2.55ソル)の家庭がこれに該当する),2004年と比較して64%増加し,人口の55%を占めるに至った。同層は購買意欲が非常に高く,その旺盛な消費活動がペルー経済のダイナミズムに大きく寄与している。(3月4日)
・正規雇用が38カ月連続で増加
ペルー労働省は,1月の正規雇用が前年同月比3.7%増加したと発表した。正規雇用の増加は38カ月連続。特に,アウトソーシング,広告,銀行などのサービス業(5.8%)及びスーパーマーケット,ショッピングセンターなどの商業(4.6%)で高い伸びが見られた。(3月15日)
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