ペルー経済情勢 2013年
ペルーの経済情勢(2013年7月)
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率4.40%(6月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率0.55%(7月:前月比),対米ドル為替相場2.777ソル(7月平均値),リマ首都圏の完全失業率5.5%(6月),財政収支744万ソルの黒字(6月),貿易収支114百万米ドルの赤字(6月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,6月(前年同月比)の4.40%であった(7月分は未公表)。


イ インフレ率
7月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.55%となり,最近12ヶ月(客年8月〜本年7月)の上昇率は,3.24%となった。
ウ 為替相場
7月の対米ドル為替相場の平均は2.777ソルで,ソル安傾向が続いている。

エ 失業率
6月のリマ首都圏の完全失業率は5.5%であった。(7月分は未公表)

オ 財政収支
6月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で3.1%増となった。歳出は,対前年同月比で7.2%増となった。全体では,プライマリーバランスは,837百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると,744百万ソルの黒字となった。(7月分は未公表)

カ 貿易収支
6月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比20.2%減,非伝統産品が14.8%減となり,全体では3,085百万米ドル(対前年同月比18.8%減)となった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が2.6%増,中間財が4.5%減,資本財が1.0%増となり,全体で3,199百万米ドル(対前年同月比1.2%減)となった。この結果,貿易収支は,114百万米ドルの赤字となった。(7月分は未公表)

キ 外貨準備高
7月末の外貨準備高は,67,615百万米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2013年第1四半期末の対外債務累計総額は,62,484百万米ドルで,増加傾向が続いている。

(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
(2)最近の主な出来事(発表記事等)
・2013年の民芸品輸出は9%増の見込み
コルネホ観光副大臣は,2013年のペルー産民芸品の輸出は前年比9%増の4700万ドルに達する見込みであると発表した。最も需要があるのは,アルパカ製品や銀製品である。また,通商観光省のバーンズ民芸品局長は,民芸品業者の課題として,新市場の開拓と高い競争力獲得の必要性を指摘した。(7月27日)
・企業信頼感指数の低下
ペルー中銀によれば,7月の企業信頼感指数は6月に続いて低下し,50ポイントであった。ウマラ政権が発足した2011年半ばより最も低いレベルであり,政府が投資回復のための政策手段を打ち出しているものの低下傾向にある。アルマス・ペルー中銀経済研究部長は,現在の数値は(悲観的なものではなく)「自然」なレベルであると説明した。(8月12日)
・主要銀行の成長見通し予測の修正
主要銀行等に本年の成長率予測を下方修正する動きが見られる。スコシアバンクは6.0%の予測を5.7%に,BBVAコンティネンタルは,6.5%を5.8%に下げた。カスティーヤ経済財政相も今後数ヵ月間,少なからず不安定な状況を経験するであろうと指摘し,従前の予測には,一定程度修正の必要が生ずる可能性があるとしつつ,状況を受容し,共存しなければならないと述べた。(8月14日)
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