ペルー経済情勢 2013年

ペルーの経済情勢(2013年8月)

 

 

1 総論
 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率4.51%(7月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率0.54%(8月:前月比),対米ドル為替相場2.802ソル(8月平均値),リマ首都圏の完全失業率5.9%(7月),財政収支4,942万ソルの赤字(7月),貿易収支550百万米ドルの赤字(7月)となった。


2 各論
(1)主要経済指標
 ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。


ア 経済成長率
 最新の経済成長率(GDP成長率)は,7月の4.51%(前年同月比)であった(8月分は未公表)。


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イ インフレ率
 8月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.54%となり,最近12ヶ月(客年9月〜本年8月)の上昇率は,3.28%となった。

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ウ 為替相場
 8月の対米ドル為替相場の平均は2.802ソルで,ソル安傾向が続いている。


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エ 失業率
 7月のリマ首都圏の完全失業率は5.9%であった。(8月分は未公表)


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オ 財政収支
 7月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で4.4%増となった。歳出は,対前年同月比で19.0%増となった。全体では,プライマリーバランスは,4,575百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,4,942百万ソルの赤字となった。(8月分は未公表)


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カ 貿易収支
 7月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比14.1%減,非伝統産品が9.6%減となり,全体では3,202百万米ドル(対前年同月比13.1%減)となった。

 輸入額は,対前年同月比で消費財が8.7%増,中間財が3.8%減,資本財が3.0%増となり,全体で3,752百万米ドル(対前年同月比0.6%増)となった。この結果,貿易収支は,550百万米ドルの赤字となった。(8月分は未公表)


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キ 外貨準備高
 8月末の外貨準備高は,66,635百万米ドルとなった。


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ク 対外累積債務
 2013年第2四半期末の対外債務累計総額は,61,410百万米ドルで,増加傾向が続いている。


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    (注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。

 

(2)最近の主な出来事(発表記事等)


・S&P社によるペルー公債等の評価引上げ

 大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)社は,ペルーのドル建て長期公債の評価を「BBB」から「BBB+」へ,またソル建てのソブリン債を「BBB+」から「A−」に引上げた(あわせ,ペルー経済の見通しを「良好」から「安定的」に改訂)と発表した。これは中南米地域でチリに続き2番目に高い評価であり,スペイン,イタリア,コロンビア,メキシコ,パナマよりも上位となる。(8月21日)

 

・2014年ペルー政府予算案

 ペルー政府は2014年予算案(注:ペルーの予算は暦年)を国会に提出した。予算案総額は,1,189億3,425万ソル(約424億4,620万ドル(1米ドル=2.80ソル))で,前年比9.7%増。社会政策(本年比約29%増),教育,保健,運輸,治安対策等を重視している。2010〜14年の5年間で,予算額は45.2%増加している。(8月30日)

 

・エコノミスト誌による安定性の評価  

 英エコノミスト誌は26の新興国の経済について,安定性・脆弱性を評価する報告を発表。ペルーは,中南米地域において,メキシコ及びチリと並び,最も安定性の高い状況にあるとの評価を得た。同誌は,ペルーの660億ドルに上る外貨準備高,ローン残高の堅実な推移,外国金融機関による長期融資を活性化するための当地中銀による取組み等を高く評価している。(9月12日)

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