ペルー経済情勢 2014年

ペルーの経済情勢(2014年3月)

 

 

1 総論

 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率5.72%(2月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率3.38%(3月までの一年間),対米ドル為替相場2.807(3月平均値),リマ首都圏の完全失業率7.0%(2月),財政収支492万ソルの黒字(2月),貿易収支58百万米ドルの黒字(2月)となった。 ペルー中銀が本年の経済成長率予測を当初の6%から5.5%へと下方修正した。


2 各論
(1)主要経済指標
 ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。


ア 経済成長率
 最新の経済成長率(GDP成長率)は,2月の5.72%(前年同月比)であった(3月分は未公表)。

 


 

 

イ インフレ率
 3月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.52%となり,最近12ヶ月(客年4月〜本年3月)の上昇率は,3.38%となった。

 

 

ウ 為替相場
 3月の対米ドル為替相場の平均は2.807ソルであった。


 

エ 失業率
 2月のリマ首都圏の完全失業率は7.0%であった。(3月分は未公表)

 

オ 財政収支
 2月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で8.5%増となった。歳出は,対前年同月比で7.2%増となった。全体では,プライマリーバランスは,1,623百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると,492百万ソルの黒字となった。(3月分は未公表)


カ 貿易収支
 2月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比11.6%減,非伝統産品が11.4%増となり,全体では3,018百万米ドル(対前年同月比5.8%減)となった。 輸入額は,対前年同月比で消費財が0.6%増,中間財が11.1%減,資本財が5.2%減となり,全体で2,959百万米ドル(対前年同月比7.1%減)となった。この結果,貿易収支は,58百万米ドルの黒字となった。(3月分は未公表)

 

キ 外貨準備高
 3月末の外貨準備高は,64,954百万米ドルとなった。


 

ク 対外累積債務
 2013年第4四半期末の対外債務累計総額は,60,329百万米ドルであった。


    (注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり

 

(2)最近の主な出来事(発表記事等)

・キヌアの生産及び輸出の増加
 ベニテス農業灌漑相は,2014年のペルーのキヌア(アンデス原産の雑 穀,栄養価が高く近年注目されている。)生産が6万トンを超える見込みと発表。12年の生産は4万4200トン,13年は5万1600トンであった。輸出も増えており,11年は7,570トン,12年は1万700トンであったところ,13年は前年比70%増の1万8250トンとなり,さらに14年には2万5000トン以上が見込まれるとしている。また,キヌアの栽培が,アンデス高地の約7万の中小農家に裨益する点を指摘した。 (4月22日)


・ペルー中銀が経済成長率予測を5.5%に下方修正
 ベラルデ中銀総裁は,当初の6%としていた中銀の2014年のペルー の経済成長率予測を,5.5%へ下方修正したと発表。鉱業部門の伸びが当初の想定を下回る見込みになっていることを理由としている。また,財政収支について,昨年はGDPの0.1%の黒字だったが,14年は同0.4%の黒字を見込むと述べた。(4月23日)

 

・FTAによる中国向け輸出業者の増加

 シルバ通商観光相は,ペルー・中国自由貿易協定(FTA)発効後の4  年間で,中国向けに輸出を行う業者が新たに637社増えたと発表。そのうち36%は零細企業である。また,ペルーから中国向けの輸出は2010年から13年の4年間で35%増加し,13年の輸出額は73億4600万ドルであった。特にイカ,ぶどう,木材などの非伝統産品(同41%増)の輸出が増えている。 (4月29日)
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