ペルー経済情勢 2014年
ペルーの経済情勢(2014年8月)
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率0.30%(6月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率3.33%(7月までの一年間),対米ドル為替相場2.786(7月平均値),リマ首都圏の完全失業率5.9%(6月),財政収支1,895万ソルの赤字(6月),貿易収支370百万米ドルの赤字(6月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,6月の0.30%(前年同月比)であった(7月分は未公表)。また,本年1月から6月までの経済成長率は3.30%(前年同期比)であった。


イ インフレ率
7月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.43%となり,最近12ヶ月(客年8月〜本年7月)の上昇率は,3.33%となった。

ウ 為替相場
7月の対米ドル為替相場の平均は2.786ソルであった。

エ 失業率
6月のリマ首都圏の完全失業率は5.9%であった。(7月分は未公表)

オ 財政収支
6月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で5.5%増となった。歳出は,対前年同月比で42.7%増となった。全体では,プライマリーバランスは,1,807百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,1,895百万ソルの赤字となった。(7月分は未公表)

カ 貿易収支
6月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比17.0%減,非伝統産品が3.1%増となり,全体では2,899百万米ドル(対前年同月比11.6%減)となった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が2.7%減,中間財が5.5%増,資本財が0.3%増となり,全体で3,269百万米ドル(対前年同月比1.9%増)となった。この結果,貿易収支は,370百万米ドルの赤字となった。(7月分は未公表)
キ 外貨準備高
7月末の外貨準備高は,65,536百万米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2014年第1四半期末の対外債務累計総額は,60,825百万米ドルであった。

(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり
(2)最近の主な出来事
・ペルーの富裕層
ウェルスインサイト社(英)の発表によると,24,057人のペルー人が銀行口座に100万ドル以上の預金がある。他の中南米諸国では,ブラジルは191,703人,メキシコは164,014人,チリ44,141人,コロンビア38,216人,アルゼンチン35,860となっている。
(8月18日)
・キヌア輸出の増加
通商観光省(MINCETUR)は、アンデス原産の穀物であるキヌアの2014年上半期の輸出が前年同期比236%増加し,7400万ドルだったと発表した。輸出先は45カ国に達し,地域別では1位が米国(54%),2位がカナダ(8%),3位がオランダ(7%),4位がオーストラリア(4%),5位はイギリス(5%)だった。特に米国向けは前年同期比243%増加した。(8月19日)
・貧困層の減少と中間層の増加
国連開発計画(UNDP)の発表によれば,2000年に50.5%だった貧困層は2012年には24.2%に減少した。また,2000年に15.2%だった中間層は2012年に34.3%に増加した。一方、中間層から貧困層に逆戻りする脆弱性を抱えた層は同じく33.8%から40%に増加した。(8月27日) |