ペルー経済情勢 2014年

ペルーの経済情勢(2014年10月)

 

 

1 総論

 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率1.24%(8月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率2.74%(9月までの一年間),対米ドル為替相場2.865(9月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.1%(8月),財政収支292万ソルの赤字(8月),貿易収支311百万米ドルの赤字(8月)となった。


2 各論
(1)主要経済指標
 ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。


ア 経済成長率
 最新の経済成長率(GDP成長率)は,8月の1.24%(前年同月比)であった(9月分は未公表)。また,本年1月から8月までの経済成長率は2.75%(前年同期比)であった。

 


 

 

イ インフレ率
 9月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.16%となり,最近12か月(客年10月〜本年9月)の上昇率は,2.74%となった。

 

 

ウ 為替相場
 9月の対米ドル為替相場の平均は2.865ソルであった。


 

エ 失業率
 8月のリマ首都圏の完全失業率は6.1%であった。(9月分は未公表)

 

オ 財政収支
 8月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で6.5%増となった。歳出は,対前年同月比で18.3%増となった。全体では,プライマリーバランスは,870百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると,292百万ソルの赤字となった。(9月分は未公表)


カ 貿易収支
 8月の輸出額は,伝統産品が対前年同月比27.7%減,非伝統産品が1.1%増となり,全体では3,269百万米ドル(対前年同月比21.1%減)となった。

 輸入額は,対前年同月比で消費財が2.0%減,中間財が9.0%減,資本財が12.9%減となり,全体で3,580百万米ドル(対前年同月比9.4%減)となった。この結果,貿易収支は,311百万米ドルの赤字となった。(9月分は未公表)

キ 外貨準備高
 9月末の外貨準備高は,64,453百万米ドルとなった。


 

ク 対外累積債務
 2014年第2四半期末の対外債務累計総額は,61,790百万米ドルであった。


    (注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり

 

(2)最近の主な出来事

・海外在住者からの本国送金額
 インテルバンクによれば,2014年上半期の海外在住ペルー人から本国への送金額は10億7400万ドルであった。南米ではコロンビアに次いで多い。右送金の送金元を国別に見ると,米国(35.4%(送金額の割合,以下同じ)),スペイン(10.7%),チリ(9.5%),日本(7.9%),イタリア(7.6%),アルゼンチン(4.2%)と続く。平均送金額は350ドルであった。(9月29日)


・2013年の外国人旅行者数及び支出額
通商観光省(MINCETUR)は,2013年にペルーが受け入れた外国人旅行者は316万人で,その支出額は39億2500万ドルに達したと発表した。非伝統産品分野における外貨収入としては,農産物輸出に続き2番目に大きい。2012年に比して観光客数は11.2%,支出額は28%増加した。なお,外国人旅行者1人当たりの平均消費額は985ドルで,これは南米ではブラジル(1,167ドル)に続き2番目である。(9月20日)

 

・上半期の外国直接投資は前年同期比18%減

 

国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)は,2014年上半期のペルーへの外国直接投資が前年同期比18%減の46億8,000万ドルであったと発表。地域全体では,鉱物資源価格の下落による鉱業分野の投資の落込みなどにより,同23%減の840億7100万ドルとなった。地域内ではアルゼンチン(101%減),エル・サルバドル(67%減),メキシコ(66%減)などで大きく減少する一方,パナマ(26%),ドミニカ共和国(20%),ウルグアイ(9%),ブラジル(8%)などでは増加した。(10月24日)

 

・ペルーのビジネス環境はラテンアメリカ地域第2位

 世界銀行が発表した2015年ビジネス環境ランキングにおいて,ペルーはコロンビアに次いでラテンアメリカ地域で2位,世界では189か国中35位であった。分野別では,資金調達12位,資産登記26位,破産処理76位,建築許可87位,事業始め易さ89位,裁判コスト100位などとなっている。(10月29日)

 

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