ペルー経済情勢 2014年
ペルーの経済情勢(2014年11月)
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率2.68%(9月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率3.09%(10月までの一年間),対米ドル為替相場2.907(10月平均値),リマ首都圏の完全失業率5.1%(9月),財政収支495万ソルの黒字(9月),貿易収支309百万米ドルの赤字(8月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,9月の2.68%(前年同月比)であった(10月分は未公表)。また,本年1月から9月までの経済成長率は2.80%(前年同期比)であった。


イ インフレ率
10月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.38%となり,最近12か月(客年11月〜本年10月)の上昇率は,3.09%となった。

ウ 為替相場
10月の対米ドル為替相場の平均は2.907ソルであった。

エ 失業率
9月のリマ首都圏の完全失業率は5.1%であった。(10月分は未公表)

オ 財政収支
9月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で3.3%増となった。歳出は,対前年同月比で10.4%増となった。全体では,プライマリーバランスは,869百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると,495百万ソルの黒字となった。(10月分は未公表)

カ 貿易収支
9月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比21.9%減,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が3.8%増となり,全体では3,064百万米ドル(対前年同月比15.6%減)となった。主要輸出品目は銅,金,原油であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が2.6%減,中間財は変動なし(0.0%),資本財が2.4%減となり,全体で3,373百万米ドル(対前年同月比1.2%減)となった。この結果,貿易収支は,309百万米ドルの赤字となった。主要輸入品目は携帯電話,自動車,燃料類であった。(10月分は未公表)
キ 外貨準備高
10月末の外貨準備高は,63,530百万米ドルとなった。

ク 対外累積債務
2014年第2四半期末の対外債務累計総額は,61,790百万米ドルであった。

(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり
(2)最近の主な出来事
・新経済政策パッケージ
ペルー政府は,個人及び企業の所得税減税を柱とし,公共投資の拡大,燃料にかかる税金引下げ,年金受給者への特別手当支給,鉱山・税関手続改善などを含む新経済政策パッケージを発表。セグラ経済財政相は,本パッケージは,115億ソルの支出に相当し,これにより2015年は5%以上の経済成長が見込めると指摘。また,財政赤字は0.4%から2.2%へ増大するが付加価値税と国債で手当てすると説明。(11月20日)
・アボガド輸出が世界4位に
ペルー輸出業者協会(ADEX)によれば,ペルーの本年1〜9月のアボカド輸出は前年同期比67.4%増の3億790万ドルとなり,世界4位の輸出国となった(1位メキシコ,2位オランダ,3位チリ)。主要な輸出先は米国で,40%が同国に輸出されている。主な生産地はラ・リベルター州,リマ州,イカ州,フニン州,アンカッシュ州である。(11月22日)
・2015年予算の承認
2015年予算が国会で承認された。予算総額は1306億2129万ソル(約441.3億米ドル(1米ドル≒2.96ソル))で,2014年予算に比して11.9%増加した。特に教育,保健,社会的保護分野で昨年よりも大幅に増加している。(11月30日)
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