ペルー経済情勢 2014年

ペルーの経済情勢(2014年12月)

 

 

1 総論

 最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率2.37%(10月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率3.16%(11月までの一年間),対米ドル為替相場2.926(11月平均値),リマ首都圏の完全失業率5.9%(10月),財政収支682万ソルの赤字(10月),貿易収支316百万米ドルの赤字(9月)となった。


2 各論
(1)主要経済指標
 ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。


ア 経済成長率
 最新の経済成長率(GDP成長率)は,10月の2.37%(前年同月比)であった(11月分は未公表)。また,本年1月から10月までの経済成長率は2.75%(前年同期比)であった。

 


 

 

イ インフレ率
 11月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,−0.15%となり,最近12か月(客年12月〜本年11月)の上昇率は,3.16%となった。

 

 

ウ 為替相場
 11月の対米ドル為替相場の平均は2.926ソルであった。


 

エ 失業率
 10月のリマ首都圏の完全失業率は5.9%であった(11月分は未公表)。

 

オ 財政収支
 10月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で0.9%増となった。歳出は,対前年同月比で8.5%増となった。全体では,プライマリーバランスは,55百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,682百万ソルの赤字となった(11月分は未公表)。


カ 貿易収支
 10月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比13.9%減,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が2.5%増となり,全体では3,249百万米ドル(対前年同月比9.6%減)となった。主要輸出品目は銅,金,原油であった。

 輸入額は,対前年同月比で消費財が6.4%減,中間財は変動なし(4.2%減),資本財が6.7%減となり,全体で3,565百万米ドル(対前年同月比5.7%減)となった。この結果,貿易収支は,316百万米ドルの赤字となった。主要輸入品目は携帯電話,自動車,燃料類であった。(11月分は未公表)



キ 外貨準備高

 11月末の外貨準備高は,63,250百万米ドルとなった。


 

ク 対外累積債務
 2014年第3四半期末の対外債務累計総額は,63,465百万米ドルであった。


    (注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり

 

(2)最近の主な出来事

・リマ首都圏都市鉄道(メトロ)2号線着工
 リマ首都圏都市鉄道(メトロ)2号線の建設工事が開始された。投資総額は56億5800万ドル。リマのアテ・カヤオ間35キロを45分で結び,沿線人口は約240万人。35駅が設置され,1日60万人の利用が見込まれる。2016年8月に一部区間で先行開業し,2020年までに全面開業する予定 (12月30日)。


・農産品輸出の増大
 農産品生産者組合(AGAP)は,2015年の果物・野菜の輸出が前年比30%増の21億ドルに達すると予測。特にぶどうやアボカドへの需要が多い。伝統的な輸出先である欧州,米国に加え,メキシコや,日本,韓国,中国などアジア地域の新興市場への輸出増加も期待される。また,オルモス計画や,チャビモチク計画など大規模灌漑計画の進展により,輸出作物栽培のための農地が今後29万ヘクタール増える見込み(1月5日)。

 

・新車自動車販売の減少

 ペルー自動車協会(AAP)によると,2014年の新車自動車販売は前年(19万2680台)比4.8%減の18万3913台だった。特にピックアップ,トラック,トラクターヘッドの販売が落ち込んだ。2015年の販売は,世界経済の回復と政府の経済再活性化策などを踏まえ,前年比12〜13%増加の20万台以上になると予測している(1月9日)。

 

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