ペルー経済情勢 2015年

ペルーの経済情勢(2015年4月)

 

 

1 総論

最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率0.94%(2月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率3.02%(3月までの一年間),対米ドル為替相場3.092(3月平均値),リマ首都圏の完全失業率5.9%(3月),財政収支1,038百万ソルの黒字(3月),貿易収支245百万米ドルの赤字(2月)となった。


2 各論
(1)主要経済指標
 ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。


ア 経済成長率
 最新の経済成長率(GDP成長率)は,2月の0.94%(前年同月比)であった(3月分は未公表)。

 






 

イ インフレ率
 3月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.76%となり,最近12か月(昨年4月〜3月)の上昇率は,3.02%となった。

 

 

 

ウ 為替相場
 3月の対米ドル為替相場の平均は3.092ソルであった。



 

エ 失業率
 3月のリマ首都圏の完全失業率は5.9%であった。

 

 

オ 財政収支
 3月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で9.3%減となった。歳出は,対前年同月比で2.7%減となった。全体では,プライマリーバランスは,1,440百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると,1,038百万ソルの黒字となった(4月分は未公表)。





カ 貿易収支
 2月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比28.9%減,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が7.0%減となり,全体では2,567百万米ドル(対前年同月比22.9%減)となった。主要輸出品目は銅,金,マンゴーであった。

 輸入額は,対前年同月比で消費財が0.1%増,中間財は8.4%減,資本財が10.8%減となり,全体で2,812百万米ドル(対前年同月比5.3%減)となった。この結果,貿易収支は,245百万米ドルの赤字となった。主要輸入品目は携帯電話,自動車,ディーゼル油であった(3月分は未公表)。






キ 外貨準備高

 3月末の外貨準備高は,61,323百万米ドルとなった。





 

ク 対外累積債務
 2014年第4四半期末の対外債務累計総額は,64,355百万米ドルであった。




    (注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり

 

(2)最近の主な出来事

・ティア・マリア鉱山開発の一時中止
 アレキパ州のティア・マリア鉱山開発プロジェクトに対し,地元住民による大規模な反対運動が発生し,治安当局との衝突で死傷者も発生しているところ,開発を行っているサザン・カッパー・ペルー社は,社会的合意形成のために同プロジェクトを60日間停止すると発表。他の鉱山開発プロジェクトへの影響が懸念されている(5月16日)。


・中間層の増加
 ハラミージョ米州開発銀行(IDB)ペルー代表は,ペルーの中間層(ここでは一日当たりの収入が10〜50米ドル,月ベースで一家庭当たり1,120〜6,400米ドル(購買力平価換算)の者が対象)が,昨年,新たに約32万8,000人増加したと発表。これで中間層は約1,583万人になり,初めて人口の半数を超えた(50.6%)。同代表は,米州域内諸国で中間層が減少傾向にある中で,ペルーは数少ない増加国の一つであることを強調した(5月15日)。

 

・貧困率の低下

 国家統計情報庁の発表によれば,2014年貧困率は22.7%となり,2013年(22.7%)に比べて1.2%減少した。1年間で28万9000人が貧困(ここでは一月あたりの世帯支出額が303ソル以下の者が対象)から脱却したことになる。地域別でみると,リマ首都圏が11.8%,沿岸部が14.3%,山間部33.8%,熱帯雨林地帯が30.4%となっている(4月24日)。

 

 

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