ペルー経済情勢 2015年

ペルーの経済情勢(2015年7月)

 

 

1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率1.22%(5月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率3.56%(7月までの一年間),対米ドル為替相場3.162(6月平均値),リマ首都圏の完全失業率5.4%(6月),財政収支1,301百万ソルの赤字(6月),貿易収支231百万米ドルの赤字(5月)となった。


2 各論
(1)主要経済指標
 ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。



  ア 経済成長率
 最新の経済成長率(GDP成長率)は,5月の1.22%(前年同月比)であった(6月分は未公表)。

 






 

イ インフレ率
 6月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.33%となり,最近12か月(昨年8月〜7月)の上昇率は,3.56%となった。

 

 


 

ウ 為替相場
 6月の対米ドル為替相場の平均は3.162ソルであった。



 

エ 失業率
 6月のリマ首都圏の完全失業率は5.4%であった。

 

 


オ 財政収支
 6月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で4.5%減となった。歳出は,対前年同月比で10.4%減となった。全体では,プライマリーバランスは,1,188百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,1,301百万ソルの赤字となった(7月分は未公表)。






カ 貿易収支
 5月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比18.9%減,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊製品,工業製品等)が10.0%増となり,全体では2,626百万米ドル(対前年同月比16.0%減)となった。主要輸出品目は鉱物資源,銅,金,天然ガスであった。

 輸入額は,対前年同月比で消費財が17.1%減,中間財は21.5%減,資本財が14.5%減となり,全体で2,857百万米ドル(対前年同月比18.5%減)となった。この結果,貿易収支は,231百万米ドルの赤字となった。主要輸入品目は携帯電話・無線機器類,原油,自動車,テレビであった(6月分は未公表)。









キ 外貨準備高

 6月末の外貨準備高は,60,017百万米ドルとなった。





 


ク 対外累積債務
 2015年第1四半期末の対外債務累計総額は,65,074百万米ドルであった。




    (注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり

 

(2)最近の主な出来事

・IMFは再びペルーの経済成長率を下方修正
 IMFは,今年におけるペルーの経済成長率を3.8%から3.2%へと下方修正した。IMFによれば,ペルーの経済成長は主に政府が実施している公共投資政策によって牽引されているものであると断言した。IMFとしては,通貨安は経済回復の一助になり,また,インフラ整備の推進の後押しになるとしている。IMFは,明年,ペルーは鉱山開発プロジェクトの操業開始を通じ,4.6%の経済成長を遂げると予測している。(7月16日) 。


・中央準備銀行が今年に入り初めて貿易収支黒字を発表
ペルー中央準備銀行は,6月の輸出額は31億200万米ドル,輸入額は30億7200万ドルであり,今年に入り初めて黒字(2900万ドル)を計上したと発表した。この貿易収支黒字化は,伝統産品の回復基調(先月比で4億5900万米ドル増)がその理由として上げられる。(8月7日)。

 

 

 

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