ペルー経済情勢 2015年
ペルーの経済情勢(2015年8月)
1 各論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率3.87%(6月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率4.04%(8月までの一年間),対米ドル為替相場3.239(8月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.5%(7月),財政収支2,190百万ソルの赤字(8月),貿易収支373百万米ドルの赤字(7月)となった
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,6月の3.87%(前年同月比)であった(7月分は未公表)。



イ インフレ率
8月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.38%となり,最近12か月(昨年9月〜8月)の上昇率は,4.04%となった。


ウ 為替相場
8月の対米ドル為替相場の平均は3.239ソルであった。

エ 失業率
7月のリマ首都圏の完全失業率は6.5%であった。


オ 財政収支
8月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で8.1%減となった。歳出は,対前年同月比で10.2%増となった。全体では,プライマリーバランスは,771百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,2,190百万ソルの赤字となった。


カ 貿易収支
7月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比21.9%減,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が12.6%減となり,全体では2,718百万米ドル(対前年同月比19.3%減)となった。主要輸出品目は銅,金,鉱油,魚粉であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が0.5%減,中間財は22.0%減,資本財が9.1%減となり,全体で3,090百万米ドル(対前年同月比13.5%減)となった。この結果,貿易収支は,373百万米ドルの赤字となった。主要輸入品目は自動車,テレビ,オートバイであった。

キ 外貨準備高
8月末の外貨準備高は,60,613百万米ドルとなった。



ク 対外累積債務
2015年第2四半期末の対外債務累計総額は,63,789百万米ドルであった。


(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり
(2)最近の主な出来事
・ペルー政府は2016年予算案を国会に提出
ペルー政府は2016年予算案を国会に提出した。予算案総額は約1,384億ソル(約432.5億米ドル)で前年比6.6%増。
予算額が高い項目(括弧内は予算額,全体を占める割合)は,教育(約248億ソル,17.9%),保健(約135億ソル,9.7%),運輸(約128億ソル,9.3%)分野であり,特に教育に関しては,前年比11.5%増。(8月30日)
・ペルー中銀,政策金利を0.25%引き上げ3.50%に
ペルー中央銀行は、2013年11月以降引き下げが続いていた政策金利を0.25%引き上げ3.50%とした。ペルー中銀は,今回の引き上げの理由として,予想インフレ率が上昇していることへの抑制,インフレが一部食品価格の高騰や通貨下落を引き起こししていることへの歯止め,国際指標が世界経済の回復の兆しを見せていること,経済活動が徐々に回復しているを挙げている。(9月10日)
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