ペルー経済情勢 2015年
ペルーの経済情勢(2015年9月)
1 各論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率3.26%(7月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率3.90%(9月までの一年間),対米ドル為替相場3.219(9月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.5%(8月),財政収支2,190百万ソルの赤字(8月),貿易収支373百万米ドルの赤字(7月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,7月の3.26%(前年同月比)であった(8月分は未公表)。



イ インフレ率
9月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.03%となり,最近12か月(昨年10月〜9月)の上昇率は,3.90%となった。


ウ 為替相場
9月の対米ドル為替相場の平均は3.219ソルであった。

エ 失業率
8月のリマ首都圏の完全失業率は6.5%であった。


オ 財政収支
8月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で8.1%減となった。歳出は,対前年同月比で10.2%増となった。全体では,プライマリーバランスは,771百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,2,190百万ソルの赤字となった。


カ 貿易収支
7月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比21.9%減,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が12.6%減となり,全体では2,718百万米ドル(対前年同月比19.3%減)となった。主要輸出品目は銅,金,鉱油,魚粉であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が0.5%減,中間財は22.0%減,資本財が9.1%減となり,全体で3,090百万米ドル(対前年同月比13.5%減)となった。この結果,貿易収支は,373百万米ドルの赤字となった。主要輸入品目は自動車,テレビ,オートバイであった。

キ 外貨準備高
9月末の外貨準備高は,61,439百万米ドルとなった。



ク 対外累積債務
2015年第2四半期末の対外債務累計総額は,63,789百万米ドルであった。


(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり
(2)最近の主な出来事
・inPERU Road Show Asia 2015 の開催
9月7日から11日にかけて東京,ソウル,北京でペルー投資促進協会(inPERU)主催ペルー投資セミナー「inPERU Road Show Asia 2015」が開催された。同セミナーにペルーからはベラルデ中銀総裁らが出席し,インフラ,鉱業及びエネルギー等各分野についてのペルーへの投資促進に資する各会合が実施された。(9月11日)
・国際通貨基金(IMF)がペルーの経済成長予想率を下方修正
IMFは,今年のペルーの経済成長予想率を3.2%から2.4%へ,2016年の同成長予想率を4.6%から3.3%へそれぞれ下方修正した。その理由として,IMFは鉱物資源価格の大きな下落や公共事業の進捗の遅延がその要因の一部であると述べている。(10月7日)
・IMF世銀総会の開催
10月5日から12日にかけてリマでIMF世銀総会が開催され,日本からは麻生財務大臣,黒田日銀総裁らが出席した。ペルー経済財政省は,同総会には約1万1千人が参加し,1021の公式会合が行われ,社会政策,気候資金,持続可能な経済成長,生産性促進政策,インフォーマル部門といったテーマについて有益な議論が行われたと発表した。(10月12日)
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