ペルー経済情勢 2015年
ペルーの経済情勢(2015年10月)
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率2.57%(8月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率3.66%(10月までの一年間),対米ドル為替相場3.250(10月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.3%(9月),財政収支1,313百万ソルの赤字(9月),貿易収支502百万米ドルの赤字(9月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,8月の2.57%(前年同月比)であった(9月分は未公表)。



イ インフレ率
10月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.14%となり,最近12か月(昨年10月〜9月)の上昇率は,3.66%となった。


ウ 為替相場
10月の対米ドル為替相場の平均は3.250ソルであった。


エ 失業率
9月のリマ首都圏の完全失業率は6.3%であった。


オ 財政収支
9月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で11.0%減となった。歳出は,対前年同月比で11.6%増となった。全体では,プライマリーバランスは,898百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,1,313百万ソルの赤字となった。



カ 貿易収支
9月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比27.2%減,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が11.9%減となり,全体では2,600百万米ドル(対前年同月比23.0%減)となった。主要輸出品目は銅,金,鉱油,魚粉であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が4.0%増,中間財は15.0%減,資本財が6.6%減となり,全体で3,102百万米ドル(対前年同月比8.2%減)となった。この結果,貿易収支は,502百万米ドルの赤字となった。主要輸入品目は自動車,テレビ,オートバイであった。

キ 外貨準備高
10月末の外貨準備高は,62,172百万米ドルとなった。



ク 対外累積債務
2015年第2四半期末の対外債務累計総額は,63,789百万米ドルであった。


(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり
(2)最近の主な出来事
・世界銀行のビジネス環境ランキング(Doing Business)の発表
10月27日,経済財政省は,世界銀行が発表したビジネス環境ランキングにおいて,世界189か国中ペルーは50位であり,これはラテンアメリカ諸国の中で3位であり,(ペルーより上位のラテンアメリカ諸国:メキシコ(38位),チリ(48位)。ペルーの次はコロンビア(54位)),この結果,太平洋同盟諸国がラテンアメリカ諸国のビジネス環境整備を牽引するリーダーであることが証明されたと発表した。(10月27日)
・9月のペルーの経済成長率は3%を超えると予測
ベラルデ中央銀行総裁は,ペルーにおける9月の経済成長は,3.1%〜3.2%程度になるだろうと予測した。また,統計情報院によれば,9月の経済成長の特徴は,金属鉱物・炭化水素資源部門の成長率は10.86%(同部門で今年最高値),農牧産品部門は3.38%(5か月連続のプラス成長),水産部門は3.67%の成長が見られ,減少傾向にあった公共投資の成長に関しても第4四半期には回復し,今年の公共投資は2.0%減に留まる見込みであると述べた。(11月5日)
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