ペルー経済情勢 2016年
ペルーの経済情勢 (2016年1月)
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率3.96%(11月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率4.61%(1月までの一年間),対米ドル為替相場3.439(1月平均値),リマ首都圏の完全失業率6.2%(12月),財政収支2,980百万ソルの黒字(1月),貿易収支210百万米ドルの黒字(12月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,11月の3.96%(前年同月比)であった(12月分は未公表)。




イ インフレ率
1月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.37%となり,最近12か月(昨年2月〜本年1月)の上昇率は,4.61%となった。


ウ 為替相場
1月の対米ドル為替相場の平均は3.439ソルであった。


エ 失業率
12月のリマ首都圏の完全失業率は6.2%であった。


オ 財政収支
1月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で1.1%減となった。歳出は,対前年同月比で3.8%減となった。全体では,プライマリーバランスは,3,346百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると,2,980百万ソルの黒字となった。



カ 貿易収支
12月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比6.7%減,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が5.4%減となり,全体では3,170百万米ドル(対前年同月比6.2%減)となった。主要輸出品目は銅,金,鉱油,魚粉であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が6.4%減,中間財は9.8%減,資本財が4.4%増となり,全体で2,960百万米ドル(対前年同月比4.4%減)となった。この結果,貿易収支は,210百万米ドルの黒字となった。主要輸入品目は自動車,テレビ,オートバイであった。

キ 外貨準備高
1末の外貨準備高は,59,981百万米ドルとなった。



ク 対外累積債務
2015年第3四半期末の対外債務累計総額は,67,027百万米ドルであった。


(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり
(2)最近の主な出来事
・通商観光省,環太平洋パートナーシップ(TPP)協定締結を発表(2月4日)
ペルー通商観光省は,オーストラリア,ブルネイ,カナダ,チリ,日本,マレーシア,メキシコ,ニュージーランド,ペルー,シンガポール,米国及びベトナムの各代表とTPP協定に署名したことを発表した。同省は,TPP協定に署名した国を合計すると世界のGDPの約40%,8億人以上,世界貿易の1/3の市場になり,同協定の目的は,これら諸国全ての国が,持続可能な経済の発展促進や雇用創出し,連携し繁栄強化していくことであると述べた。また,本TPP協定の署名は,大変画期的なことであると同時に次のステップの始まりを示しているとし,同省が国内プロセス実施に向けて調整を開始していると述べた。
・ペルー中央準備銀行は政策金利を4.25%に引き上げ(2月13日)
ペルー中央準備銀行は,政策金利を4.25%に引き上げる(0.25%の引き上げ)ことを発表した。これにより同銀行は政策金利を3か月連続引き上げたことになる。この措置は,インフレ率が年間4.6%に至ったことに対する処理であり,中銀としては,インフレ率を1%〜3%程度まで低下させたい意向。
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