ペルー経済情勢 2016年
ペルーの経済情勢 (2016年4月)
1 総論
最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率6.04%(2月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率3.91%(4月までの一年間),対米ドル為替相場3.301(4月平均値),リマ首都圏の完全失業率7.2%(3月),財政収支800百万ソルの赤字(3月),貿易収支45百万米ドルの赤字(3月)となった。
2 各論
(1)主要経済指標
ペルー中央準備銀行及びペルー統計情報院によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
最新の経済成長率(GDP成長率)は,2月の6.04%(前年同月比)であった(3月分は未公表)。




イ インフレ率
4月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.01%となり,最近12か月(昨年5月〜本年4月)の上昇率は,3.91%となった。


ウ 為替相場
4月の対米ドル為替相場の平均は3.301ソルであった。


エ 失業率
2月のリマ首都圏の完全失業率は7.2%であった。


オ 財政収支
3月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で1.8%減となった。歳出は,対前年同月比で4.1%増となった。全体では,プライマリーバランスは,322百万ソルの赤字となった。債務の利払いを含めると,800百万ソルの赤字となった。



カ 貿易収支
3月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比10.4%増,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が14.0%減となり,全体では2,757百万米ドル(対前年同月比2.2%増)となった。主要輸出品目は銅,金,鉱油,魚粉であった。
輸入額は,対前年同月比で消費財が4.5%減,中間財は14.6%減,資本財が16.6%減となり,全体で2,802百万米ドル(対前年同月比13.5%減)となった。この結果,貿易収支は,45百万米ドルの赤字となった。主要輸入品目は自動車,テレビ,オートバイであった。

キ 外貨準備高
4月末の外貨準備高は,61,273百万米ドルとなった。



ク 対外累積債務
2015年末の対外債務累計総額は,68,244百万米ドルであった。


(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり
(2)最近の主な出来事
・太平洋同盟の枠組協定追加議定書の発効に関する式典(4月29日)
4月29日,大統領府において太平洋同盟枠組協定追加議定書の発効に関する式典が開催された。同追加議定書の発効(5月1日)により,追加貿易品目の92%の関税が撤廃され残り8%の関税も中期的に漸次削減されることになる
さらに同式典において,「貿易に関する統一窓口」プロジェクト第2期に対する融資に関しIDBとペルー政府間の署名がなされた。
・個人年金システム改正法案国会で可決(5月9日)
個人年金システムの改正案が国会で可決し,民間年金基金の加入者は,年金積立金の25%を限度として,住宅抵当融資償還への充当が可能となった。各金融機関は,本法改正による便益は概算でも11万人を超えると予想している。なお,銀行保険年金監督庁によれば,本年1月時点における金融機関の抵当融資貸付対象者は23万2098人で,そのうち約90%が会社員であるとのこと。
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