ご挨拶

APJ主催日秘友好の日及びペルー日本人移住117年周年記念式典
株丹大使挨拶
(2016年4月4日)



 本日の記念式典において,御挨拶できることを光栄に思います。
先ほどカンポ・デ・マルテ公園、日秘友好橋における献花式に出席しました。これまでも、秋篠宮殿下同妃殿下をはじめ、皇族、政府要人のペルー御訪問に際しては、献花を賜っております。日本とペルーの友好の証であると同時に、日系の先達移住者、その子孫である皆様が両国を繋ぐ橋として、活躍頂いていることを象徴する場所であります。
 今日、日本とペルーの友好親善が、より深まってきていることは、私にとっても、大きな喜びです。
 嘗て、日本の国立民族学博物館長の梅棹忠夫氏は、ある国際シンポジウムで、「われら新世界に参加す」という演題で日本人の移民、海外移住の文明史的意味について基調講演をされました。
 ペルーは共和国としての歴史こそ200年に満たない「若い」国ではありますが、インカ文明の発祥の地であり、プレ・インカ文明の中には世界の文明の中でももっとも古いものの一つに挙げられるものもありますので、「新世界」という表現には多少違和感もあるかもしれません。
 しかし、この発想は、日本人移住者は、アメリカ大陸へのお客さんでもなければ、侵略者でもない。新しい文明の形成に重要な役割を果たした参加者であるといわんとするものです。
 日本からの移民を出稼ぎ人の集団であるとする通念や日本政府の人減らし政策の犠牲となった「棄民」であるとする考え方とは、全く異なるものだと思います。
 もちろん、日本からペルーへの移住は、極めて厳しい歴史の連続であったと思います。しかし、今日、日本人移住者の子孫は数々の困難を克服され、日系ペルー市民として、各方面で大活躍をされています。また、日本の文化とペルーが出会って、新しいものが生まれているのは、食事がもっとも有名ですが、それ以外にも探していけば、数多くあるのではないかとも思います。
 こうした状況に鑑みれば、「われら新世界に参加す」という言葉は、現在の日系ペルーの皆様にも当てはまるものではないかと考えて、ご紹介した次第です。
 私ども日本大使館は、日本の伝統を心に持ち続けておられる日系の皆様と手を携えて、日本とペルーの友好関係がより一層進展していくように努力していくつもりです。
 終わりに、日本人移民とその子孫を受け入れてくれたペルー社会に改めて感謝の意を示し、ご参集の皆様のますますのご健勝、ご活躍を祈念します。

 

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