ご挨拶

APJ主催日秘友好の日及びペルー日本人移住117周年記念行事(日秘友好橋献花式)
株丹大使挨拶
(2016年4月4日)



 ペルー国会によって、日秘友好の日が制定されました。2国間の記念日が正式なものとして定められている例は多くはないと承知しています。ペルーと日本、両国の絆の深さとその重要性を多くのペルー国民に認めて頂いている証であると考えます。大使として感謝に堪えません。
 今年は日曜日に当たりましたので、1日ずらしての開催となりましたが、日秘友好の日制定以前から4月3日はペルーへの日本人移住の記念の日でもあります。
 こうして献花を行うのは、日本人移住の歴史を追想する意義を有するのはもちろんですが、それにとどまらないものと考えます。
 父親と母親がいて、子供が生まれ、両親の愛情にはぐくまれ、子供は成長していきます。
逆縁でなければ、いずれ子供が親の供養をします。そのとき、自分がどこから来たのかをあらためて認識するのだと思います。
 献花は供養を意味しますが、先駆移住者の苦労を偲ぶと同時に、現在生きている者たちがこれからどこへ行くべきなのか、より深く考えるきっかけにもなるものと思います。
 日本の若い世代には若い世代なりの考え方があり、良い部分も多くもっていますが、その反面、生まれたときから豊かな社会で育ってきたために、勤勉、規律、礼儀などの点では私のような年配者としては多少違和感がある場合もあります。もう少し率直に言うこととしますと、日本人が失いつつある美徳を現在保ち続けているのはむしろ日系の皆様ではないかというのが、私が感じていることです。
 日系ペルーの皆様は、若い世代を含めて、ペルー人としての誇りと日本の伝統を一体として体現されておられると感じております。今後とも、皆様には、日本とペルーのまさに架け橋としての役割を果たしていただけるのであれば、大変にありがたいと思っております。
 本日御出席の皆様の幸福をお祈りし、併せて日本・ペルーの友好関係がますます盛んになることを願って、私の挨拶といたします。

 

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