ペルー政治情勢 2011年

1月の内政と外交


1 概要
(1)4月の大統領選挙の立候補が締め切られ,13の政党及び連合が登録した。しかし,アプラ党のアラオス候補及びシ・クンプレ党のスニガ候補が立候補を取り消した。
(2)ガルシア大統領は,ルセーフ・ブラジル大統領の就任式に出席するためブラジルを訪問した。また,議会議長及び最高裁判所長官と共にチリを国賓訪問した。
(3)ムヒカ・ウルグアイ大統領が,ペルーを国賓訪問した。

2 内政
(1)大統領府における新年を迎えるイベント
 1日,大統領府の中庭で,新年を向かえるためのパーティーが開催され,夜にはガルシア大統領及び閣僚が出席し,国民と共に2011年を迎えた。

(2)新体制での地方政府施政の開始
 客年10月及び12月の地方選挙で選出された首長により,全国で地方政府の施政が開始された。ガルシア大統領は,3日のリマ市宣誓式及び4日のモレノ・カヤオ州知事及び同州内4区長の宣誓式に出席した。

(3)クルシリャット元テレビ局オーナーの身柄拘束
 9日深夜,逃亡中であったクルシリャット元テレビ局オーナーが,リマ市ミラフローレス内で身柄を拘束された。同人は,公務員汚職罪他で服役していたが,2009年12月に体調不良を理由に大統領恩赦を受けて自由の身となった。その後,健康的な姿が散見され,2010年3月に大統領恩赦取り消しとなり,恩赦取り消しを巡りパストール法務大臣が辞任した。恩赦取り消し決定と同時に行方不明になっていたところ,今般の身柄拘束となった。イダルゴ内務相は,同人はアルゼンチンに滞在していたことを確認した旨発表した。

(4)2011年大統領選挙に向けた動き
 10日,選挙管理委員会への大統領候補登録が締め切られ,13の政党及び連合が登録した。しかし,16日,アプラ党アラオス大統領候補は,夜のテレビ報道番組内で,立候補を辞退する旨発表し,アプラ党は大統領選からは撤退した。また,18日には,シ・クンプレ党のスニガ候補も立候補を辞退したため,11の政党及び連合が選挙戦を戦うこととなった。

3 外交
(1)ガルシア大統領のルセーフ・ブラジル大統領就任式出席
 1日,ガルシア大統領は,ルセーフ・ブラジル大統領の就任式に出席するため,ブラジルを訪問した。

(2)外相のアルジェリア訪問
 15〜16日,ガルシア・ベラウンデ外相は,アルジェリアを公式訪問し,ASPA首脳会議に参加するブーテフリカ・アルジェリア大統領宛のガルシア大統領からの書簡を手交した他,メデルチ・アルジェリア外相と会談し,南南協力促進へのコミットメントを再確認した。また,ジャガイモ栽培プロジェクト等の様々な水平協力プロジェクトを紹介した他,ペルー政府観光局とアルジェリア通商促進庁の機関間協力協定への署名及び,クスコ市及びGhardahia市の姉妹都市について詳細を詰めた。さらに,ヨウスフィ・アルジェリア・エネルギー鉱山相と石油及び天然ガス分野における開発及び資源開発計画について協議した。

(3)南米諸国連合(UNASUR)の南米防衛理事議長国就任
 17日,ペルーは,南米防衛理事会の議長国となり,トルネ国防相は,ポンセ・エクアドル国防相より議長職を受け継いだ。トルネ国防相は,ガルシア大統領が提案した「平和,安全及び協力議定書」の具体化及び軍事費の標準化に優先して取り組む旨,また2010年−11年の行動計画に精力的に取り組む意思を発表した。

(4)ガルシア大統領のチリ訪問
 18〜20日,ガルシア大統領が,三権の長であるスマエタ議会議長,サン・マルティン最高裁長官等とチリを国賓訪問した。ガルシア大統領は,ピニェラ・チリ大統領と会談し,両国教育省間の麻薬消費予防に係る政策適用のための覚書及び人,貨物及び車両の国境移動に関する協力協定への署名に立ち会った他,共同記者会見を行い,各分野における率直な意見交換が行われた旨述べた。

(5)パレスチナの国家承認
 24日,外務省は,ペルーはパレスチナを独立主権国家として承認した。また,イスラエル国家が全ての隣国と,平和的に発展する権利を承認し,イスラエル国家の承認を行っていない国々に呼びかけを行う他,全ての当事者によるこれまでの合意(特にカルテットの「ロードマップ」)における義務の履行及び国連決議を含む国際法の尊重に基づき,イスラエル及びパレスチナ間の和平プロセスが即座に再開されるよう国際社会による呼びかけに参加するとした。

(6)ムヒカ・ウルグアイ大統領のペルー公式訪問
 25日,ムヒカ・ウルグアイ大統領がペルーを国賓訪問し,大統領府にてガルシア大統領と会談した。両大統領は,二国間協定の署名に立会い,両国外相他代表者は,港湾当局間協力協定,保健協力に係る覚書,移民に係る協力協定及び外交官学校協力協定に署名した。また,両大統領は,インフラや麻薬対策他,多国間案件を含む共同宣言を発表した。

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