ペルー政治情勢 2012年

1月の内政と外交

 

1 概要

(1)国会にてバルデス首相が所信表明演説を行い,信任投票の結果,信任された。
(2)チェハデ第二副大統領は,憲法弾劾要請は逃れたが,自ら辞表を提出し,副大統領の職務を辞任した。
(3)ウマラ大統領は,ベネズエラを訪問し,チャベス大統領と会談した。また,スペイン及びスイスを訪問し,ラホイ・スペイン首相と会談した他,世界経済フォーラムに出席した。

2 内政

(1)バルデス首相の所信表明演説
 5日,客年12月に誕生した新内閣を率いるバルデス首相が国会本会議にて就任演説を行い,信任投票の結果,賛成71票,反対0票,棄権34票(フジモリ派)により,バルデス内閣が信任された。
 同首相は,レルネル前首相と同様,社会的包摂を伴う経済成長,投資促進,各種社会政策の実施等を進める演説をした。

(2)マシアス麻薬なき開発及び生活国家委員会(DEVIDA)委員長の就任
 10日付官報は,マシアス新DEVIDA委員長が就任した旨公告した。ソベロン前DEVIDA委員長は,違法コカ葉栽培撲滅計画には難色を示していたこともあり,辞任した。マシアス新委員長は,麻薬使用の予防・更生等の活動をするNGOであるCEDROのナンバー2であった。

(3)チェハデ第二副大統領の辞任
 17日,国会常設委員会にて,憲法弾劾小委員会から提出されたチェハデ前第二副大統領に対する憲法弾劾の要請が審議された。要請では,同前副大統領の違法な後援罪について司法調査を行うための,議員特権の剥奪及び5年間の公民権停止が求められていたが,賛成12票,反対13票で却下された。
 同日夜,チェハデ第二副大統領は,ウマラ大統領に辞表を提出し,同辞表は,18日,アブガタス議長にも提出された。31日,国会本会議にて,同副大統領の副大統領職辞任が,出席した議員全ての106票の賛成にて承認された。(なお,120日間の議員資格停止中の議員職は継続する。)

(4)女性社会開発省の名称変更
 20日付官報に,女性社会開発省が「女性社会的弱者省(Ministerio de la Mujer y Poblaciones Vulnerables)」に名称を変更する法律が公布された。

(5)与党からの左派系議員の離脱の動き
 24日,マビラ議員(リマ市)は,複数の勝利するペルー(GP)所属議員が,新たな議会内会派を形成することを検討しており,新会派には,2009年にペルー国民主義党(PNP)がGPをつくるために集まった急進左派系勢力に属する9名の議員が参加する予定である旨述べた。
 26日,エスピノサ第一副大統領は,与党議員の分裂の可能性を否定した。また,29日,アブガタス国会議長は,GPの分裂はなく,左派系国会議員は会派を維持する旨述べた。

(6)ウマラ大統領の支持率
ア ダトゥム社:5〜8日実施,全国(対象:1,204名)
支持  50%(48%) 不支持  39%(41%) 未回答 11%(11%)
イ アポヨ社:11〜13日実施,全国(対象:1,200名)
支持  54%(47%)  不支持  36%(42%)


3 外交

(1)ウマラ大統領のベネズエラ訪問
 7日,ウマラ大統領は,ロンカリオロ外相,シルバ通商観光相,メリノ・エネルギー鉱山相,カンポドニコ・ペトロペルー社社長と共にベネズエラを訪問し,チャベス・ベネズエラ大統領と会談した他,マカグア州の石油地帯を上空から視察した。

(2)エスピノサ第一副大統領のニカラグア訪問
 10日,エスピノサ第一副大統領は,ニカラグアを訪問し,アレマン中米統合機構(SICA)事務局長と共に,ペルーがSICAの地域オブザーバーとなるための協定に署名した。

(3)ウマラ大統領の欧州訪問
 25〜28日,ウマラ大統領は,ロンカリオロ外相,カスティーリャ経済財政相及びシルバ通商観光相と共に,スペイン及びスイスを訪問した。スペインでは,フアン・カルロス国王及びラホイ首相との会談の他,「ペルーへの投資」イベントへの出席及び企業家との会合を設けた。スイスでは,世界経済フォーラムへ出席した他,ヴィトマー・スイス大統領と会談した。

(4)ロンカリオロ外相のポルトガル訪問
 30日,ロンカリオロ外相は,ポルタス・ポルトガル外相からの招待に応じ,ポルトガルを公式訪問し,カバコ・ポルトガル大統領及びポルタス・ポルトガル外相と会談した。同外相には,カスティーリャ経済財政相及びレネ投資庁長官が同行した。

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