ペルー政治情勢 2011年

3月の内政と外交

 

 

1.概要

(1)19日,チャン首相が辞任し,フェルナンデス法務相が首相を兼務することとなった。

(2)山間部及びアマゾン地域で豪雨被害が相次ぎ,対策のため非常事態宣言が各地に発令された。

(3)23日,ガルシア大統領がコロンビアを訪問し,地域統合に向けた意思を確認した。

(4)マチュピチュからの出土品がエール大学からペルー政府に返還された。

 

2.内政

(1)消費税の減税

 1日より,消費税が19%より18%に下げられた。

 

(2)海外から返還された文化財

 2日,米国およびアルゼンチンから返還されたペルーの文化財が,ポポリシオ外務副大臣からロカ・レイ文化遺産・文化産業副大臣に渡された。

 

(3)豪雨による非常事態宣言

 アヤクチョ州,ワンカベリカ州,アプリマック州等の山間部並びにアマゾン地域のウカヤリ州及びロレト州を中心に豪雨被害が相次ぎ,災害対策のため非常事態宣言が発令された。

 

(4)2011年大統領選挙

 3日,エル・コメルシオ紙が主催する大統領候補全11名の政策発表会が行われた他,13日には,全国選挙管理委員会(JNE)により11名の大統領候補者による公開討論会が開催された。

 

(5)内閣改造

19日,チャン首相兼教育相が辞任し,フェルナンデス法務相が首相を兼務することとなり,教育相には,ディアス教育副大臣(組織管理担当)が昇格し両名の宣誓式が行われた。

 

3.外交

(1)アラブ諸国における新設ペルー大使館

 1日,在クウェート・ペルー大使館及び在カタール・ペルー大使館が新設された。近く,同地域には,在サウジアラビア・ペルー大使館及び在ドバイ・ペルー領事館も新設される予定。

 

(2)第3回ペルー・エクアドル「2+2(外相及び国防相)」政策協議会合

 3日,キトにて第3回ペルー・エクアドル「2+2」政策協議会合が開催され,両国外相及び国防相は,各分野における協力や活動について確認する共同宣言に署名した。

 

(3)外相のスペイン訪問

 8日,スペインを訪問したガルシア・ベラウンデ外相は,ヒメネス・スペイン外相と会談し,二国間関係及び協力案件について協議した。同外相は,地域の経済・貿易統合の進捗について,方向性が異なること等により困難があることを強調し,ラテンアメリカによる独自の統合の必要性を指摘した。

 

(4)第1回ペルー・EU協議会合の開催

 10~11日,ブリュッセルにて第1回ペルー・EU協議会合が開催され,ポポリシオ外務副大臣がした。同会合では,麻薬対策,気候変動について意見交換が行われた他,2010年5月に交渉が終了した自由貿易協定がもたらす効果等について協議した。

 

(5)東日本大震災関連

 11日午前,東日本大震災に関し,ガルシア大統領は,日本への連帯と可能な限りの支援を提供する意思を表明すると同時に,津波が到達する予測を受け,ペルー国内に注意を呼びかけた

 16日,大統領令にて18日金曜日を全国追悼の日と定め,公共の建物,軍事施設,警察署,その他国家に属する場所及び在外の大使館・領事館及び代表団施設では全て半旗が掲げられた。また,ガルシア大統領の要請で,シプリアニ枢機卿が犠牲者追悼のミサを実施し,大統領を含む三権の長が出席した。

 また,ペルー政府は,日本の被災地に在住するペルー人が帰国を望む場合,補助金を提供し,無料で渡航書を発給することを決定した。

 

(6)アスナール元スペイン首相のペルー訪問

 15日,アスナール元スペイン首相がペルーを訪問し,ガルシア大統領と会談した。

 

(7)ガルシア大統領のコロンビア訪問

 23日,ガルシア大統領は,コロンビアを国賓訪問し,サントス・コロンビア大統領と会談した。両大統領は,チリ,メキシコを含めモノ,資本,人及びサービスの自由な流通を可能とする深化した統合を推進することを確認した。

 

(8)エール大学からマチュピチュ遺跡出土品の返還

 30日,大統領府にて,エール大学から返還されたマチュピチュ遺跡からの出土品の受領式が行われた。返還された出土品は,後日,大統領府にて無料で公開され,後にクスコに運ばれることとなった。

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