ペルー政治情勢 2012年 9月の内政と外交
1 概要 (1)国会倫理委員会により議員資格停止を勧告された議員7名に対する審議が行われ,4名の議員に対する120日間の議員資格停止が決定した。 2 内政 (1)日本大使公邸占拠事件・人質救出チャビン・デ・ワンタル作戦を担当する国家訴訟代理人の辞任 5日,カテリアノ国家訴訟代理人の後任として,日本大使公邸占拠事件チャビン・デ・ワンタル人質救出作戦を担当していたクバス国家訴訟代理人は,8月27日の米州人権裁判所におけるバリオス・アルトス事件の公判での自身の発言が様々な激しい批判を受けた結果,同職を辞任した。 (注:10月12日付官報に,クバス代理人の辞任が受理され,後任にウエルタ代理人を任命する旨の大統領決議が公告された。)
(2)コリーナ・グループに対する減刑判決の取り消し 7日付決議にて,米州人権裁判所は,7月にビリャ・ステイン裁判長率いる最高裁常設刑事法廷が,モンテシノス元国家情報局(SIN)顧問及びコリーナ・グループ等に対して下し,第一審より減刑した内容となった判決を修正・又は取り消すよう求めた。 27日,サン・マルティン最高裁長官は,右判決を,米州人権裁判所の決議に従い取り消したこと,新たな刑事法廷を設置し,本件につき再審議する旨発表した。
(3)議員資格停止 10日,国会本会議にて,倫理委員会により議員資格停止の勧告を受けた7名の議員についての議論が行われ投票に付されたところ,不適切な関係を結んだとされるアチャ議員(与党:アヤクチョ州選出)及び経歴詐称によるアパサ議員(与党:プノ州選出)に対する120日間の議員資格停止が決定され,暴行を問われたコア議員(与党:クスコ州選出)の資格停止は否決された。 17日,残り4名の議員については,経歴詐称によるヨベラ議員(人民行動−拡大戦線所属,ワヌコ州選出)及びパリオナ議員(フエルサ2011党,フニン州選出)の120日間の議員資格停止が決定された。他方,バルキ議員(フエルサ2011党,パスコ州選出)及びルイス議員(与党,リマ市・外在選出)は,罰則から免除された。
(4)首相顧問団 23日付官報に,首相の顧問団の設置及び顧問の任命に関する省令が公告され,閣僚や国会議員経験を有する弁護士やエコノミスト等,11名の顧問が任命された。
(5)大統領支持率(括弧内前回8月) ア ダトゥム社:7〜11日実施,全国(対象:1,209名) 支持 45%(47%) 不支持 44%(44%) イ アポヨ社:12〜13日実施,全国(対象:1,209名) 支持 41%(40%) 不支持 51%(49%) ウ CPI社:14〜19日実施,全国(対象:1,450名) 支持 44.7%(48.3%) 不支持 47.8%(42.4%) エ GFK社:18〜19日実施,全国(対象:1,450名) 支持 37%(43%) 不支持 56%(50%)
3 外交 (1)大統領及び外相のウラジオストクAPEC出席 ア 6日,ロンカリオロ外相は,APEC外相・通商担当相会合に出席した。また,ペルーが2016年APEC首脳会合の開催地となる旨発表した。 イ 同外相は,アニファ・アマン・マレーシア外相,ミン・ベトナム外相,ベアード・カナダ外相及びスラポン・タイ外相とそれぞれ会談した。 ウ 7〜10日,ウマラ大統領は,ウラジオストクAPEC首脳会議に出席した他,プーチン・ロシア大統領,カルデロン・メキシコ大統領,ユドヨノ・インドネシア大統領,ラガルドIMF専務理事等と会談した。
(2)第11回ペルー・エクアドル二カ国委員会の開催 19日,グアヤキルにて, ロンカリオロ外相とパティーニョ・エクアドル外相率いる第11回二カ国委員会が会合を行い,両国大統領の指示に基づき,両国の企画庁は,2016年及び2021年に向けた国境地域開発に係る具体的な目標を提示した。
(3)スイスとの二重課税防止条約署名 21日,外務省にて,ロンカリオロ外相とクラウエー駐ペルー・スイス大使は,所得及び遺産に係る二重課税防止条約協定に署名した。
(4)ペニャ・ニエト次期メキシコ大統領の来訪 23日,ペニャ・ニエト次期メキシコ大統領がペルーを訪問し,ウマラ大統領と会談した。また,ロンカリオロ外相,ヒメネス首相及びスペシアーニ全国民間企業団体連合(CONFIEP)会長等,企業関係者とも会談した。
(5)ナディン・エレディア大統領夫人のニューヨーク訪問 25〜26日,ナディン・エレディア大統領夫人は,ニューヨークを訪問し,クリントン米国務長官の招待により国連事務総長や世銀総裁等と共に各種イベントへ出席した他,FAO事務局長,UNICEF事務局長,UNウーマン事務局長等と会談した。
(6)ロンカリオロ外相の第67回国連総会出席 25日より第67回国連総会に参加し,27日,一般討論演説を行った。また,ヘイグ英外務・連邦大臣等と会談した他,モレノ・チリ外相及びノルウェーのNGOと共に両国政府代表の国境地域の地雷撤去作業に係る覚書への署名式へ同席,ラスール・アフガニスタン外相と外交関係樹立の記念式典へ出席した他,第4回南米アラブ諸国外相会合の議長を務め,10月2日に首脳会合で採択される予定のリマ宣言案の進捗状況につき協議した。
(7)第2回ペルー・ルーマニア副大臣級二国間協議の開催 28日,外務省にて第2回ペルー・ルーマニア副大臣級二国間協議が開催され,ベラウン外務副大臣及びペトレ・ルーマニア外務次官が会談し,両国関係促進に向けた経済・貿易関係や鉱業及びエネルギー生産に係る協力等につき協議した。
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