ペルー日系人協会(APJ)主催安倍総理御夫妻歓迎会における総理挨拶

平成28年12月2日
(2016年11月19日(土) 於:日秘劇場)
 
 
皆さま,こんにちは,安倍晋三でございます。
 
本日は,ペルーの色々なところから,何百人もの方々においでいただきましたことに,幾重にも御礼申し上げます。本当に皆様,有難うございます。
 
奥山元女(おくやま・もとめ)さん。ようこそおいでくださいました。お元気そうなお姿を拝見できまして,心から嬉しく思いました。どうかこれからも,お達者でお過ごしをいただきたいと思います。
 
ヘラルド・マルイさん。皆さまの日系人協会は,中南米の中でも稀に見る達成ですね。
協会を長年引っ張ってこられたご努力に,心から敬意を表します。
 
そして,マルコ・ミヤシロさん。いらっしゃいますか。日本大使公邸占拠事件は,ちょうど20年前になりますか。その節は,人質になってくださるなど,本当にご苦労をおかけ致しました。改めて感謝申し上げます。
 
そして,フリオ・クロイワ先生。先生のご知見が,ペルー,日本の双方にとって大変大切な地震学を,大いに伸ばしました。これまでのご貢献に,御礼申し上げます。
 
この度,APEC の機に当地を訪れ,皆さまお一人,お一人のお顔をこう拝見させていただきましたことは,私にとって一生の思い出になります。
 
皆さまに,ご報告したいことがあります。
 
ペルーは,南米諸国の中で最も早く日本からの契約移民を受け入れた国で,最初の移民が1899 年にやって来たということは,ご承知のとおりです。
2019 年は,それから120 年の節目に当たります。この度私は,クチンスキー大統領とあい計らって,2019 年を,両国の交流を深める記念の年とすることに致しました。
日本とペルーをより近づけるため,いろんな行事を実施します。皆さまにはどうかご協力をいただけますように,お願いを申し上げます。
 
それからささやかではありますが,お受け取りいただきたいものがあります。
 
一つは,皆さまの百周年記念病院にお贈りする道具,具体的には,脳手術,脊髄手術の器材です。
百周年記念病院が,たくさんのペルー国民に信用されている事実は,とりもなおさず,皆さまが粒粒辛苦,ペルーで築いた信頼の証しです。
必要なものは何かをお伺いし,これらをお送りすることと致しました。
 
もう一つ,お年を召された皆さまのご苦労に報いるには,いかほどのものともなりません
が,日系人協会の施設に,デイケア・サービスを楽にする器材を,いくらかお贈り致しま
す。
 
正直で,勤勉で,そして誠実である。
中南米の中で,ひときわ団結力の強いペルー日系人の皆さまが,当地で営々とつちかってこられた高い評価に接する度,身の引き締まる思いが致します。日本国民は皆,これを誇りに思います。
 
次の世代をになう日系人の若者にも,日本を知り,愛してもらいたいと願わずにはいられません。
若い世代の日系人の皆様を,日本にお招きする事業に力を注ぎます。日本に住む方々が,ご子弟の教育に安心していただけるよう,必要な施策も講じましょう。
 
太平洋のあちらとこちら,距離は離れていますが,心は永遠につながっています。皆さまの末永いご繁栄,ご健勝を心よりお祈りをし,結びと致します。有難うございました。
 
 ムーチャス・グラシアス