ペルーの経済情勢(2017年2月)

平成29年3月17日
1 総論
  最新のペルーの月例主要経済指標は,経済成長率3.25%(12月:前年同月比),リマ首都圏のインフレ率3.25%(2月までの一年間),対米ドル為替相場3.260(2月平均値),リマ首都圏の完全失業率8.9%(1月),財政収支1188百万ソルの黒字(1月),貿易収支1023百万米ドルの黒字(12月)となった。
 
2 各論
(1)主要経済指標
  ペルー中央準備銀行及び国家統計情報庁によれば,ペルーの主要経済指標は次のとおり。
ア 経済成長率
  最新の経済成長率(GDP成長率)は,12月の3.25%(前年同月比)であった(1月分は未公表)。先月と比べ同成長率はやや回復傾向にあるものの,分野別に見ると,前年同月比で建設部門(▲4.19%)が引き続き低迷しており,特に政府による公共事業への投資の伸び悩みが建設部門の成長率低迷に影響を及ぼしている。
 

 
 


イ インフレ率
  2月のリマ首都圏のインフレ率(消費者物価指数(前月比))は,0.32%となり,最近12か月(昨年3月~本年2月)の上昇率は,
3.25%となった。

 
 

ウ 為替相場
  2月の対米ドル為替相場の平均は3.260ソルであった。
 
 
   

エ 失業率
  1月のリマ首都圏の完全失業率は8.9%であった。
 
 

オ 財政収支
  1月の中央政府の財政収支は,歳入が対前年同月比で13.6%増となった。歳出は,対前年同月比で50.3%増となった。全体では,プライマリーバランスは,1580百万ソルの黒字となった。債務の利払いを含めると,1188百万ソルの黒字となった。
 
 

カ 貿易収支
  12月の輸出額は,伝統産品(鉱物資源,魚粉,コーヒー等)が対前年同月比33.1%増,非伝統産品(アスパラガスなどの近代的農業産品,繊維製品,工業製品等)が9.5%増となり,全体では4,031百万米ドル(対前年同月比25.0%増)となった。主要輸出品目は銅,金,鉱油,鉛であった。
輸  入額は,対前年同月比で消費財が7.5%増,中間財は7.4%増,資本財が10.2%減となり,全体で3,008百万米ドル(対前年同月比0.2%増)となった。
こ  の結果,貿易収支は,1023百万米ドルの黒字となった。主要輸入品目は原油,ディーゼル,自動車(消費財では,自動車,テレビ,バイク)であった。


 


キ 外貨準備高
  2月末の外貨準備高は,62,291百万米ドルとなった。 
 


 

ク 対外累積債務
  2016年12月末の対外債務累積総額は,74,651百万米ドルとなった。
 


 
 
(注)上記表中の数値は今後修正される可能性あり。
 
(2)最近の主な出来事
・通商観光省が2016年の日・ペルー二国間貿易状況を公表
  通商観光省は日・ペルー二国間貿易状況を同省ホームページに公表した。これによれば,2016年のペルーから見た対日輸出は1,263百万米ドル(前年:1,117百万米ドル,前年比13%増),対日輸入は1,034百万米ドル(前年:1,070百万ドル,前年比3%減)。2016年対日輸出は,鉱業前年比12.6%増,漁業同63.3%増が特徴的であり,同対日輸入は前年比で目立った動きはなく自動車産業が上位を占める。本件情報詳細は以下のリンクからダウンロード可能。
http://www.mincetur.gob.pe/comercio-exterior/reportes-estadisticos/reportes-de-comercio-bilateral/
 
・ペルー・韓国政府が社会保障協定に署名
  3月2日,ペルー外務省は,韓国との間で社会保障協定に署名した旨のプレスリリースを発出した。ペルー外務省は,同署名によりペルー・韓国双方の国民は,韓国,ペルー,あるいは第三国であれ移住地の銀行口座に年金等を移すことが可能となり,また,アジアで最初に結ぶこの社会保障協定はその他のアジア諸国との交渉の機会を示すものであり,ペルーへの投資及び移民の保護に適した条件を促進するものであると述べている。
 (了)